シンドラーのリスト

発言に対する補足(その4)
FMOVIEで繰り広げられた『シンドラーのリスト』を巡る論争の一部。
映画を観てから映画を批判しろという当たり前の意見。by K. Hattori


 スピルバーグ批判はスピルバーグ批判でよいのです。問題はスピルバーグ批判の名を借りて、観てもいない『シンドラーのリスト』を批判したり、過去のスピルバーグ映画から類推してこの映画を批判することです。「観ていないけど『シンドラーのリスト』はダメだね」と堂々と言い切れるとしたら、それはなぜでしょう。「スピルバーグは好みじゃない」とか「スピルバーグはダメだね」ならわかりますよ。それならどんどんやってください。これは趣味の問題ですから何も言いませんし、それが技術論や作家論になることだってあるでしょう。まぁ全体としてはそういう流れになってるんだけど、『シンドラーのリスト』は今までのスピルバーグ映画とちょっと違うからなぁ。今や『シンドラー』を観ずしてスピルバーグを語れるのだろうか、という印象は持っています。

 映画に対する印象批判は好みじゃありませんが、少なくとも映画を観た後の感想としてならどんな感想も許される。しかし、映画を観る前からその映画を「印象批判」してどうする。周囲の評判や雑誌映画評の評価、過去の作品からの類推だけで映画が評価できるのなら、誰も高い入場料を払って映画なんか観ることはありません。映画1本の値段で映画雑誌が2〜3冊買えますから、それでも眺めて「この映画は傑作」「これはダメ」とかやっててください。経済的でいいですよ。ただし、僕はそうした人たちと映画の話をしようとは思いません。


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