1998/12/14 SPE試写室
ヴァネッサ・ウィリアムズ主演のアメリカ版『Shall we ダンス?』。
ラテン・ダンスの魅力がぎっしり詰まってます。by K. Hattori
歌手であり女優でもあるヴァネッサ・ウィリアムズと、ラテン音楽界のスーパースター、チャヤンが主演のアメリカ版『Shall we ダンス?』。キューバ人の母とアメリカ人の父の間に生まれた青年ラファエルが、母の死後、テキサスに暮らす父ジョンを頼りに渡米する。父親は息子とは初対面で、ふたりの関係はどこかよそよそしい。ダンス教室にはルビーというダンス教師がいて、いつしかジョンといい雰囲気になってくる。ルビーはかつて競技ダンスの世界でトップレベルのダンサーだったが、子供が産まれて競技の世界から遠ざかっていた。子供の父親は、かつてのパートナー、ジュリアンだが、彼女の妊娠中に別のパートナーを見つけて彼女と子供を捨てたのだ。6年ぶりに競技ダンスの世界に復帰するルビーは、勝つために再びジュリアンとペアを組むことを考えはじめる。かくしてラファエルとジョンの父子関係、ルビーとラファエルのロマンスにジュリアンを加えた三角関係、ダンス教室の存続問題もからんだ物語が生まれる。
『Shall we ダンス?』のアメリカでのリメイクは、トム・ハンクス主演で企画が進行中とのことですが、『ダンス・ウィズ・ミー』が『Shall we ダンス?』に強い影響を受けていることは明白。ヒロインがパートナーとの関係を解消して新しいパートナーを捜していることや、ダンス教師として鬱屈した日々を送っている点が同じ。ダンス教室に現れた男性と競技会場では踊らず、映画の最後に用意されているパーティー会場で踊るのも同じ。ダンス教室の経営者と子供の確執も別の形で再現されているし、新入りの男性生徒がおばさまダンサーとペアを組んで踊るところまで同じ。物語自体はまったく別のものですが、細かなエピソードはかなり巧妙にいただいている感じがします。『Shall we ダンス?』がアメリカで大ヒットしたとか、各方面で評判だったと聞いてもあまりピンと来ませんでしたが、こうして影響を受けた作品が登場すると、それが大いに実感できます。