バーブ・ワイヤー
ブロンド美女戦記

1997/01/15 東劇
元プレイメイト、パメラ・アンダーソン主演の近未来女性戦士物。
B級テイストいっぱいの映画で楽しい。by K. Hattori



 ブロンド&ナイスバディの姉ちゃんが大活躍する近未来活劇。主人公の名はバーブ・ワイヤー。演じているのは元プレイメイトのパメラ・アンダーソン。色気むんむんの身体に、向こう気の強い性格。表の顔はバーの経営者だが、裏に回れば凄腕の賞金稼ぎだ。レザーのスーツに身を包み、金髪を振り乱して大型バイクで失踪する姿はカッコイイぞ。映画の冒頭から、セクシーなダンスシーンだったりするサービスのよさもいいね。

 21世紀初頭、アメリカは内乱によって従来の民主主義政権が倒れ、ナチスドイツを思わせる独裁政権が誕生している。それに反抗する民主勢力圏が、アメリカ各地に飛び地のように存在するが、そこは同時にアメリカ中の犯罪者たちが跳梁跋扈する犯罪都市でもある。主人公はそんな町でバーを経営しているのだが、ある日そこに、昔別れた恋人アクセルがやってくる。亡命を願う女性科学者コーラDと共に、海外に亡命させてくれと言うのだ。かつて自分のもとから去った恋人に対する、愛憎入り乱れた気持ち。彼女はまだ彼を愛し、彼もまた彼女のことを愛している。しかし独裁政権の陰謀を阻止するためにも、コーラDは何としても亡命させなければならない。結局アクセルとコーラDはカナダ行きの飛行機に乗り込み、バーブ・ワイヤーは警察署長と二人でそれを見送る。

 観ている最中から「古風なメロドラマだなぁ」とは思っていたんですが、最後の飛行場になって気がついた。これは名作『カサブランカ』を下敷きにしているんですね。男と女を入れ替えて、舞台を未来に移したわけです。コーラDを追跡する独裁政権将校の制服を観ていて「どうして独裁政権というとナチス風のルックスになってしまうのかなぁ」といぶかっていたら、これは「ナチス風」なんじゃなくて「ナチスそのもの」だったわけです。

 物語のプロットは借り物ですが、お話のディテールはなかなか楽しめます。アクションも最高! 女性戦士物に必須のお色気シーンもふんだんに楽しめます。冒頭のダンスシーンで既に乳首が見えてますからねぇ。入浴シーンもあるぞ。そもそも普段から身体の線を強調した黒いレザーで、これがなかなかにエッチです。女性捕虜の拷問シーンが、これまた絵に描いたような助平ぶり。もとがマンガだからしょうがないのかな。

 最近のアメコミ映画の中では『バットマン・フォーエバー』『ジャッジ・ドレッド』『タンク・ガール』のどれよりも楽しめた映画。クレーンを使ったアクションシーンがクライマックスなんだけど、同じような活劇をクライマックスに持ってきた『イレイザー』より、遥かに手に汗握る場面に仕上がっています。

 ものすごくB級だしくだらない映画なんですが、僕はこの映画が大好き。インターネットを使って海外のサイトからヒロインの画像をダウンロードして、会社のパソコンの壁紙にしているくらい好きです。セット美術やキャラクターの設定が魅力的で、同じ設定と配役で映画をシリーズ化してくれることを熱望してるとこです。


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