プレイガール

2003/03/26 東映第1試写室
'70年代の人気テレビシリーズを女性アイドル主演で映画向けにリメイク。
コンセプトはいいけど脚本がまるでダメだと思うなぁ。by K. Hattori

 '69年から'74年までテレビ東京系で放送された人気ドラマ「プレイガール」を、現代の女性アイドル主演で映画用にリメイクしたアクション映画。'66年生まれの僕は「プレイガール」の後番組「プレイガールQ」をうっすらと覚えている程度。『プレイガール』と聞いて「うひょひょ〜!」と歓喜の声を上げるのは、どう考えても40歳以上の人だと思うぞ。でもまぁ「女ばかりの特殊チームが美貌と知性を武器に犯罪者たちに立ち向かう」というコンセプトは明快だし、似たような設定は美少女ものの戦闘アニメなどに繰り返し登場しているから、テレビ版のことなんて気にしなくてもまるで平気。(案外美少女アニメを作っている人たちの頭には、子供の頃に見た「プレイガール」が刷り込まれているのかもしれないけどね。)

 テレビ版ではプレイガールたちが保険調査員や探偵事務所という設定になっていたようだけれど、今回の映画では警察内部の秘密部署という話に作り替えられている。警察にしなければならない必然性は特にないので、調査員や探偵という在野の立場で通したほうがよかったような気もするけどね。表の顔としては本物の女性警官であるプレイガールたちが、裏で警察の別働隊をやっているというのは、かえって回りくどいのではないだろうか。こうした設定にするなら「裏の顔が表にばれると危険」とか、「表の顔を利用して裏に便宜をはかる」というお話がほしいところだけれど、そうしたエピソードは皆無。結局このヒロインたちは、女性警官として働きながら、アルバイトで非合法な警察ゴッコをしているというわけのわからないことになってしまった。

 ただしヒロインたちを警察の別働隊にすることで、探偵ものにありがちな「犯罪なんだから警察に知らせろよ!」とか「警察は何をやってんだよ!」という疑問を回避できるという利点はある。もっとも彼女たちの本職まで、警官にする必要はないと思うけれどね。むしろ表の顔をそれぞれ別々の職業にすると、キャラクターの特徴が明確になるし、それぞれの行動を縛る枷がいろんなパターンで作れて面白かったと思う。

 アクションシーンは見るも無残なできばえ。出演者にアクションが無理と見て、フィルムのコマ伸ばしのような処理でアクションシーンをごまかしている。こうした処理はポイントだけに使わないと、いかにも「ごまかしてます」という感じがして白ける。最初からアクションが無理なタレントだとわかっているなら、脚本段階で工夫が必要だった。例えば彼女たちは別働隊とはいえ警官なんだから、銃だって合法的に使えるはず。銃が無理なら、それ以外の方法でスリルとサスペンスを演出する方法だってあるはずだ。なんだか文句ばかりだけど、僕は『プレイガール』というコンセプト自体は面白いと思う。作り方次第で、とびきり面白い映画になった素材だと思うんだけどなぁ〜。

2003年4月12日公開予定 新宿トーア
配給:東映ビデオ
(2003年|1時間25分|日本)
ホームページ:
http://www.toei-video.co.jp/data/pg/

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