ヤァヤァ・シスターズの聖なる秘密

2003/03/20 ワーナー試写室
サンドラ・ブロックとエレン・バースティンが母娘を演じるホームドラマ。
母親の若い頃を演じたアシュレイ・ジャッドも素敵。by K. Hattori

 ニューヨークで劇作家として成功しているシッダは、雑誌「タイム」のインタビューで何気なく子供の頃母親に叩かれたことがある経験について話したところ、それがそのまま記事として掲載されてしまった。故郷ルイジアナでこの記事を読んだ母ヴィヴィは激怒。意地っ張りの母娘は冷戦状態に突入する。この事態を横から眺めていたヴィヴィの親友たちは、母娘関係を修復すべくニューヨークからシッダを拉致誘拐! ルイジアナの一軒家に連れ込まれたシッダは、ヴィヴィと仲間たちの思い出を収めたスクラップブックを手渡され、母にまつわるさまざまな思い出話と秘密の打ち明け話を聞かされることになる。そこにはシッダの知らなかった、悲しく苦しい物語があった……。

 シッダを演じているのはサンドラ・ブロック。母親ヴィヴィを演じているのはエレン・バースティンだが、若い頃をアシュレー・ジャドが演じ、子供時代をケイトリン・ワックスが演じている。この映画で主役になっているのは娘のシッダではなく、その母親ヴィヴィなのだ。ヴィヴィを含めた「ヤァヤァ・シスターズ」の4人については、ヴィヴィ同様すべて3人の女優によって演じ分けられている。アシュレー・ジャドが年をとるとエレン・バースティンになるというのは意外な発見だったが、これがあまり違和感なくすんなりと移行しているのには感心した。これは見せ方が上手いのでしょう。他の3人についても、役の移行はじつにスムーズ。年をとってすっかり体型が変わってしまった人まで含めて、キャラクターには一貫性があって、映画を観ていて戸惑うことがほとんどない。

 映画を観ていて少しわからなかったのは、映画の中の「今」は西暦何年なの?という点。プレス資料を見ると、シッダのインタビュー記事が「タイム」に載ったのは1993年ということになっている。シッダが生まれたのは1953年なんだとか。つまりヒロインのシッダは、40歳の中年女性なのだ。演じているサンドラ・ブロック本人は今年39歳だから、40歳の役をやったって不自然ではない。でも何も説明なしに、この映画の彼女が40歳に見えますか? 映画俳優は実年齢からプラスマイナス15歳や20歳ぐらいの年齢を平気で演じてしまう人種なんだから、役年齢については毎回きちんと説明しないとわからなくなってしまう。
 
 もっともこうした不満を差し引いても、この映画は十分に面白いし感動的ないい映画だと思う。エレン・バースティンはチャーミングなおばあちゃまを演じているし、夫役のジェイムズ・ガーナー、友人役のマギー・スミス、フィオヌーラ・フラナガン、シャーリー・ナイトなど、出演者がみんな素晴らしい。映画導入部の「ヤァヤァの儀式」から、水遊びでの溺れたまね、夜のヌードドライブ、ヴィヴィの恋人の戦死、シッダの飛行機初体験など、忘れがたい名場面が多い。たっぷり笑わせて泣かせます。

(原題:Divine Secrets of The Ya-Ya Sisterhood)

2003年初夏公開予定 恵比寿ガーデンシネマ
配給:ワーナー・ブラザース映画
(2002年|1時間56分|アメリカ)
ホームページ:
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DVD:ヤァヤァ・シスターズの聖なる秘密
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原作:ヤァヤァ・シスターズの聖なる秘密
原作洋書:Divine Secrets of the Ya-Ya Sisterhood
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