劇場版・仮面ライダー龍騎
EPISODE FINAL

2002/08/12 東映第1試写室
人気テレビ番組「仮面ライダー龍騎」の劇場版は展開が早すぎる。
たぶんあとから「ディレクターズカット」が出るだろう。by K. Hattori

 日曜朝の人気番組「仮面ライダー龍騎」の劇場版。併映は同じ日に前後して放送されている「忍風戦隊ハリケンジャー」の劇場版だ。こうしたテレビ番組の劇場版は、テレビ放送が終ったあとに後日談的なエピソードを作るか、テレビ放送とは離れた番外編を作るのが常だった。ところが今回の『仮面ライダー龍騎』は、タイトルにもあるとおりテレビシリーズも含めた全エピソードの最終話と位置づけられている。まだテレビは放送中なのに、テレビ放送が始まる前にいわば「最終回」を劇場映画として公開してしまうということらしい。これはかなり大胆な試みだと思う。ひょっとしたら映画を作る側は、テレビ版の視聴者が劇場に足を運ぶことより、レンタルビデオや時間拡大のスペシャル番組でこの『劇場版・仮面ライダー龍騎』を見ることを想定しているのかもしれない。そう考えると、今の段階でこの映画が登場するのもなんとなくわかる。

 僕は「仮面ライダー」の初代からV3、アマゾン、ストロンガー(順番をすでに忘れてるなぁ)あたりまで現役でテレビを見ていた世代なのだが、さすがに今放送している『龍騎』は見ていない。それがいきなり「最終回」だけ見せられてしまうのだから、話の方はさっぱりわからずチンプンカンプン。テレビを見ている人は、これでちゃんと話が通じるのだろうか。上映時間が1時間17分しかない中で、生き残ったライダーが死闘を繰り広げつつ、ひとりずつ脱落していくという構成。個々のライダーが話から抜けるまで、平均10数分しか使えないのだから、これは話がどうしても駆け足になる。しかも途中にこれまで明らかにされてこなかった謎の解明や人間ドラマなども盛り込んでいくから、映画は最初から最後までエピソードの山場ばかりが連続することになる。

 じつは『劇場版・仮面ライダー』の前作『仮面ライダーアギト/PROJECT G4』は、劇場公開版より長いディレクターズカットがビデオ発売されているのだ。今回の『龍騎』も、おそらくはそれと同じようにビデオソフトとしてディレクターズカット版が発表されるのではなかろうか。

 今回の『龍騎』を観て、僕は大昔に観たアニメ映画『伝説巨神イデオン』の『発動篇』を思い出した。登場人物が勢揃いし、ラストに向かってひたすら凄惨な殺し合いを続け、傷つき、倒れ、物語から脱落していくドラマ。「仮面ライダー○○死亡。残るライダーは×人」というタイトル処理を見るたびに僕は暗い気分になってしまうのだが、案外テレビ版を見ている人にはこれこそが『仮面ライダー龍騎』の世界として受け入れられるのかな。

 僕は併映の『ハリケンジャー』の方が明るくて好きだった。話は相変わらずわかんないけど、チャンバラ時代劇や歌舞伎を意識したアクションは面白い。このナンセンスなユーモアこそが、「ゴレンジャー」から受け継がれた戦隊ものの特徴であり伝統だと思う。

2002年8月17日公開 丸の内東映他・全国東映系
配給:東映
(2002年|1時間17分+30分|日本)

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