パワーパフ・ガールズ・ムービー

2002/07/23 ワーナー試写室
史上最強のスーパー幼稚園児3人組がタウンズヴィルで大暴れ。
日本でも人気のアニメがついに劇場に進出。by K. Hattori

 タウンズヴィルに住むユートニウム博士の研究室で生まれた、世界最強の幼稚園児3人組。それがパワーパフ・ガールズ。アメリカのカートゥーン・ネットワークでは大人気。日本でもテレビ東京系で放送されて、一部に熱狂的なファンを持ち、キャラクターグッズもいろいろ出ている人気者。(銀座のワーナー・ストアがなくなったのは悲しかったなぁ。ワーナーがショップ経営から手を引いたのは世界的なことなんだけどさ。)脅威のスーパーパワーを持つこの3人のチビッコ(半死語だなぁ)が、ついに映画に登場だ!

 今回の映画版は、TVシリーズのプレストーリーのような構成になっている。ガールズと悪役モジョ・ジョジョ誕生のいきさつと、ガールズたちが町の平和を守る役目を担うようになるまでを描いた1時間21分。スーパーパワーの自覚がないまま町で鬼ごっこを繰り広げ、市街をメチャメチャに壊してしまったガールズたち。彼女たちの生みの親ユートニウム博士は留置場にぶち込まれ、ガールズたちも人に迷惑を掛ける厄介者として町中のつまはじき。そんな彼女たちに優しい声を掛けたのは、同じ研究室でスーパー知能を身につけたモジョだった。「スーパーパワーを人の役に立つことに使うんだ。そうすればみんな君たちを好きになってくれる」というモジョの言葉を真に受けて、モジョの基地建設に協力してしまうガールズたち。だが完成した基地で、モジョは動物園の猿たちにスーパー知能を与えて強力なサル軍団を作り上げてしまった。

 考案・監督・脚本・製作総指揮を担当するのは、TVシリーズの生みの親でもあるクレッグ・マクラッケン。そんなわけで、映画版はTVシリーズと同じノリ、同じテイストがキープされている(と思う)。ただしちょっと気になったのは、エピソードの中で小さなシークエンスをひたすら繰り返すこと。例えばガールズたちの鬼ごっこのシーンがやけに長い。TV番組がガールズたちを非難するシーンがやけに長い。モジョが動物園の猿たちを捕獲するシーンがやけに長い。とにかくあちこちがやけに長い。監督のマクラッケンは、かなり粘着質のしつっこい性格と見た! もっともこれが、映画に一定のリズムを生み出している面もある。「いい加減によせばいいのに」と思わせるまでひとつひとつのエピソードを引っ張り、そこからストンと別の話に落とすタイミングなどは、映画を観ている側に生理的な快感を感じさせるものです。

 パワーパフ・ガールズの魅力はその絵柄の可愛さもあるけれど、幼稚園児の女の子たちが、とにかくやたらと強いという設定そのものが面白いのだと思う。主人公たちは幼稚園児だから、気分屋だし、感情表現がストレート。それに幼稚園児なりの悩みもある。ガールズたち三者三様のキャラクター造形も見事。

 映画版を観てしまうと、TV版のDVDも欲しくなってしまったりして……。ちなみに僕はバブルスが好き。

(原題:THE POWERPUFF GIRLS)

2002年8月3日公開予定 渋谷東急3他・全国松竹東急系
配給:ワーナーブラザース映画 宣伝:ドラゴン・キッカー
(2002年|1時間21分|アメリカ)

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