ロード・オブ・ザ・リング

2002/01/31 日本ヘラルド映画試写室
ピーター・ジャクソン監督による長編ファンタジー3部作の第1部。
これはすごい。早く続編が観たいぞ。by K. Hattori

 今年の夏、全世界で『スター・ウォーズ/エピソード2』が公開される。既に劇場では予告編が流れているのだが、これを観てもまったくワクワクしないのはなぜだろう。もちろん「観たくない」というわけではないのだが、積極的に「すっごく観たい!」「今すぐにでも観たいぞ〜!」という心理的飢餓感のような気分がまったく湧いてこない。『マトリックス』の続編? 『ハリー・ポッターと秘密の部屋』? 『MIB2』? シリーズ映画は数多いけれど、どれもこれも『ロード・オブ・ザ・リング』にはかなわない。今僕が最も続きを観たい映画は、誰が何と言っても『ロード・オブ・ザ・リング』の第2作目だ。1作目を観たばかりだというのに、もう続編が待ち遠しい。こんな気持ちにさせてくれる映画は、本当に久しぶりだと思う。

 トールキンの原作3部作を、3本の長編映画として完全映画化するうちの1本目。遠い昔に戦乱の中で失われた冥王サウロンの指輪が、ホビットの村に出現する。サウロンは指輪を取り戻すため、自分の軍勢を村に差し向けるが、その動向を察知した魔法使いガンダルフは、ホビットの若者フロドに指輪を託して村を脱出させる。指輪はこの世にあってはならないものだ。だがそれを破壊するには、サウロンが指輪を鍛えたという火山の噴火口に、その指輪を投げ捨てなければならない。フロドは仲間たちと共に、サウロンの軍勢を突破して無事に火山までたどり着けるのか……。物語の構成は典型的なロードムービーだ。主人公が故郷を離れて運命的な旅に出る。旅に同行する心強い仲間たちがいるが、その中で反目が生まれもする。行く手に立ちふさがる危険の数々。敵の軍勢がいる。険しくそびえる山々。見たこともないモンスターたち。敵は無数。味方は9人のみ。

 2時間58分という上映時間をまったく感じさせないほど、映画の中は見せ場の連続。次から次に危険が迫り、次から次にそれを乗り越えていかなければならない。登場人物は多いが、どのキャラクターも個性的で印象に残る者ばかりだ。主人公フロドを演じるイライジャ・ウッド以下、どのキャスティングも素晴らしい。単行本で上下2巻に渡る長大な原作を3時間弱にまとめるのだから、どのエピソードも駆け足にはなっているのだろう。しかしどのエピソードも役者の演技に助けられて、物足りない感じはまったくしない。もの凄く充実しているのだ。

 個人的にはイアン・マッケラン演じるガンダルフと、クリストファー・リー演じるサルマンの魔法対決が一番ハラハラした。『X−メン』の老超能力者と吸血鬼ドラキュラの対決だ。よぼよぼのジイさまふたりが、飛んだり跳ねたりの大格闘をするのだが、ケガがなくって何よりでした。魔法使いの格としては、クリストファー・リーの方が明らかに上という感じもよく出ている。

 ホビット役に小人の俳優を使わず、カメラアングルやデジタル合成で小さく見せている。どうやってんの? すごく気になる。DVDが出たらメイキングが見たい。

(原題:THE LORD OF THE RINGS: THE FELLOWSHIP OF THE RING)

2002年3月2日公開予定 丸の内ピカデリー1他・全国松竹東急系
配給:日本ヘラルド映画、松竹

(上映時間:2時間58分)

ホームページ:http://www.lord-of-the-ring.com/

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サントラCD:ロード・オブ・ザ・リング
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