無問題2

2002/01/16 松竹試写室
岡村隆史主演の香港テイストムービー第2弾は前作の10倍面白い。
共演はユン・ピョウ、サム・リー、キャンディ・ロー他。by K. Hattori

 ナインティナインの岡村隆史が、憧れの香港映画界で大暴れする映画『無問題/モウマンタイ』のパート2。「岡村隆史+香港映画」というコンセプトは同じだが、内容的には前作とはまったく無関係。続編でもないし、再映画化でもない。前回は出演者も岡村隆史以外は地味で(一部にサモハンのようなゲストもあったが)、内容も途中からシリアスなラブストーリーになってしまったが、今回は出演者が豪華、内容もベタなギャグ連発で、最初から最後までサービス満点の香港映画流娯楽作になっている。これは前作より10倍以上面白い。もちろん香港映画の超一流には遠く及ばないが、2流の真ん中ぐらいのレベルには仕上がっているのではないだろうか。ちなみにこれは、「平均点以上」という意味だ。

 岡村隆史演じる主人公ケンは、日本の中華料理屋でアルバイトしながら香港映画のヒーローになった自分を夢想するしょーもない男。パチンコ屋の懸賞で香港旅行を引き当てたケンは、香港のホテルで殺し屋に勘違いされてしまう。ターゲットは資産家令嬢の由美子。だがケンは由美子に一目惚れして、逆に彼女のボディガードをすることになる。だが相手はプロ。由美子はケンの目の前からあっという間にさらわれてしまう。彼女を何とか助け出そうと、ケンはカンフーの達人に弟子入りする。

 ケンの師匠になるカンフーの達人を、アクション・スターのユン・ピョウが演じ、その妹を『ドリフト』にも出演していた人気歌手キャンディ・ローが演じる。由美子を演じるのは人気アイドルの酒井若菜。彼女を慕う香港の刑事には、やはり片言の日本語が芸風としか思えないサム・リー。由美子の命を狙う義理の叔父に菅田俊といったキャスティング。この他に、香港映画界の重鎮エリック・ツァンが突然現れたり、ナイナイの相棒である矢部浩之が『メッセンジャー』のパロディを演じてみせたり、『大混乱/ホンコンの夜』の田口浩正がゲストとして1シーンだけ顔を見せたりしている。こうしたゲストの顔が、映画に「メジャー感」を出していると思う。ちなみにこの映画のプロデューサーは、『大混乱』のサム・レオン。この人は監督としては三流だけど、プロデューサーとしてはなかなかです。

 監督はスタントマン出身で、日本では俳優として知られているチン・ガーロウ(カーロッ)。本人も映画の中に1シーンだけ出演している。映画の中にはいろいろなパロディシーンが出てくるので、映画ファンはそれだけでも面白いだろうと思う。香港テイストのハリウッド映画『マトリックス』や『グリーン・デスティニー』を無邪気に引用してしまうあたりは、香港映画らしさかもしれない。キャンディ・ローが出っ歯のブスという設定も、『食神』からのパクリだと思うしなぁ。キャンディ・ローが最後までブスだったらどうしようかと思いましたが、最後はちゃんと義歯を外してチャーミングな笑顔を見せてくれました。酒井若菜はこの映画で魅力なし。僕はキャンディ・ローを断固支持します。

(原題:無問題2)

2002年2月公開予定 渋谷東急3他・全国松竹東急系
配給:松竹、メディアスーツ

(上映時間:1時間56分)

ホームページ:http://www.moumantai2.com/

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