Grasshoppa!
Vol. 1

2001/09/05 徳間ホール
映像クリエーターたちの短篇作品を集めたDVDマガジンの創刊号。
作品のテイストがどれも似たり寄ったりで少し退屈。by K. Hattori

 11月から隔月でリリースされるショートフィルム連載マガジン「Grasshoppa!」(VHSとDVDでレンタルされる)の創刊号から、オリジナルのショートフィルム6本を集めたマスコミ試写があったので早速観てきた。劇場では公開されない作品なので、スクリーンで観られるのはこういう機会しかないだろう。6本の内訳は、連載あり、単発のオリジナルあり、実写あり、アニメあり、ストレートな劇映画あり、実験的な作品ありで、かなりバラエティに富んでいる。実際のリリース時にはこの6本の他に、「PICKS」というコーナーで「Grasshoppa!」がリコメンド(推薦・推奨)するショートフィルムが1本ずつ収録されるという。第1回目はジョン・ルーリーの『FISHING WITH JOHN』が収録されるが、それについては今回の試写作品に含まれていなかった。あと特集素材というのもあるらしいが、これについては詳細不明。

 参加メンバーの中心にいるのは、『鮫肌男と桃尻女』『PARTY7』の石井克人監督。6本の作品の大半に、石井監督自身がいろいろな形で関わっている。例えば監督として、脚本家として、ストーリー提供者として、俳優として、声優として……。そんな石井作品のテイストが好きな人にとって、「Grasshoppa!」は要注目の作品集となることだろう。しか〜し、世の中には石井テイストの面白さがまったくわからない僕のような人間もいる。『PARTY7』を観てひたすら白けきった僕は、今回のショートフィルムを観ても同じように白けてしまった。例えば石井監督がアニメーターの小池健と共同監督した『TRAVA-FIST PLANET episode 1』なんて、いったいどこがどう面白いの? 僕にはそれがさっぱりわからない。小原秀一が監督した『ダン・ペトリー教授の憂鬱』も、同じぐらいつまらない。連載のドラマ作品『FROG RIVER』はまだ始まったばかりで何とも評価のしようがないが、この主人公が観客の共感を呼ぶキャラクターだとはとても思えなかった。取材映像を見ながら第三者が音声解説のように雑談をする『WINDOW』は面白い企画だと思うけれど、これで15分は長すぎる。5分に縮めたら毛色が変わっていて面白くなると思うけどね。そんなわけで、この4本については白けっぱなし。

 少し面白かったのは単発ドラマの『ボヌールハイツ』だが、序盤の会話のテンポの面白さに比べて、警官が出てきてからのハズシ具合は飛躍がありすぎる。若い警官が交番で悶絶するシーンに至っては、それまでのドラマのテンションをぶち壊しにしている。人形アニメ風のCGアニメ『ハル&ボンス』は、キャラクターの可愛さだけが秀でた作品。肝心の会話はあまり面白くない。

 作品のひとつひとつにいちいちオープニングとエンディングのクレジットがくっついているのがうっとうしい。特にエンドクレジットは不要。15分の作品で1分半もエンディングがあったら長いよ。こんなものはDVDのメニュー画面に入れるべきです。VHSなら巻末にまとめてクレジットを入れればいい。

2001年11月30日レンタル開始予定 DVD & VHS
問い合せ:レントラックジャパン 宣伝:ミラクルヴォイス
(上映時間:1時間20分)

ホームページ:http://www.grasshoppa.jp/

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