ベリー・バッド・ウェディング

2000/03/17 GAGA試写室
結婚式直前に殺人事件に巻き込まれた花婿の運命は?
キャメロン・ディアスのタフネスぶりに思わず拍手。by K. Hattori


 恋人ローラとの結婚が間近に迫ったカイルは、友人たち4人と共にラスベガスで独身最後の乱痴気パーティ(バチェラー・パーティ)をすることになる。このパーティを仕切っているのは悪友のボイド。何かと悪い評判もある男だが、いざというときに頼れるガッツのある奴だ。ネオンが輝くベガスを練り歩き、カジノをハシゴした後、いよいよホテルの部屋でパーティの始まった。酒、タバコ、マリワナ、コカインで盛り上がったところに、いよいよバチェラー・パーティ名物のストリッパーが登場。男たちの興奮はピークに達する。友人のマイケルは女に追加料金を払ってバスルームにしけ込み、男たちからやんやの喝采を浴びるが、やがてバスルームから血まみれのマイケルが飛び出してきて大騒ぎ。セックスに夢中になったマイケルは、女を壁のフックに押しつけて殺してしまったのだ。「警察を呼べ」「救急車だ」と騒ぎ出した男たちの中で、ボイドひとりが落ち着いて言う。「女がこの部屋に来たことは誰も知らない。砂漠に埋めてしまえばわかりっこない」と……。

 結婚式という大イベントを前に、厄介な犯罪に巻き込まれてしまった男たちを描いたコメディ映画。殺人事件を扱ったコメディなので、その笑いはかなり悪趣味なものになる。人が殺されるシーンそのものがギャグのポイントになっているので、「人殺しなんて!」と眉をひそめる人はこの映画を観ない方がいい。不幸な新郎カイルを演じるのは『スウィンガーズ』のジョン・ファブロー。彼にあれこれと注文を出す可愛い新婦ローラ役はキャメロン・ディアス。男たちをトラブルのまっただ中に追い込んでいくヤバイ奴、ボイドを演じているのはクリスチャン・スレーターだが、彼自身、数年前に警官相手に立ち回りを演じてクサイ飯を食わされた前科者だ。男たちの中で唯一の妻子持ちアダムを演じるのは、『ホーム・アローン』シリーズでのっぽの泥棒を演じていたダニエル・スターン。その口うるさい妻を演じるのは、『ザ・ファーム/法律事務所』でトム・クルーズの女房を演じたジーン・トリプルホーン。監督・脚本は俳優出身のピーター・バーグで、これが映画初監督作品。

 物語は主人公カイルと悪友ボイドの葛藤がメインで、新婦のローラは脇役。だから「キャメロン・ディアスの顔をたっぷり拝みたい」という人は、映画の前半で肩すかしを食うかもしれない。でも映画の終盤で物語を振り回すのはローラになる。婚約者のカイルからすべての真相を知らされても「私の27年の人生はこの結婚にすべての焦点を合わせてきたのよ。何があろうと結婚だけはしますからね!」と言い放つタフネスぶり。女は強い。

 話が二転三転して行くコメディなので、物語の詳細は語らないほうがいいだろう。それより僕は、映画の最後に出てくる結婚式の様子が気になって見ていた。式を行う場所が教会ではなく、式を執行するのも牧師じゃないみたいなのです。一種の人前結婚式みたいなものなんだろうか。アメリカではこういうのが流行なのかな。

(原題:Very Bad Thing)


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