2000/01/31 東宝第1試写室
人気TVドラマをTV版のスタッフ・キャストで映画化。
映画だけ観ても、わけがわからないぞ。by K. Hattori
『踊る大捜査線 THE MOVIE』は、映画界にある種の誤解を生みだしたと思う。それは「TV番組のヒット作で劇場版を作るとヒットする」という、根拠のない思い込みだ。その結果が『サラリーマン金太郎』や『GTO』の企画を生み出す原動力になっている。しかしこれらの後続作品は、『踊る大捜査線』の足下にも及ばぬ成績しか残せていない。「TV番組の映画化」というマーケティング的発想だけでは、劇場映画がヒットしないという当然のことに、映画界はようやく気づいたはずだ。要するに、映画が面白くなければダメなのです。『踊る大捜査線』は、TVドラマ版をまったく見ていない人が観ても面白かったからヒットしたのです。しかし、それでも一度弾みのついた流れは止まらない。それがこの『ケイゾク/映画』であり、松竹の『すずらん』だったりするのですが……。大丈夫か? 特に松竹は心配だぞ。