2001年11月の出来事

11月1日(木)
 バスで東京駅に行き、JRで戸塚へ。両親と合流して山中湖へ。箱根経由で山中湖へ出たのが2時頃か。疲れ気味だったので山道で車酔いしそうになる。忍野八海に立ち寄って、3時半頃山中湖マウント冨士に到着。風呂に入って、プールに入って、食事は地元名物の「ほうとう」。
 疲れていたこともあって、9時半頃には寝てしまう。最近にしては早い。

11月2日(金)
 6時半前に目が覚めて、朝から風呂へ。空気が澄んでいて、風呂から富士山がくっきりと見える。ホテル出てドライブしながら横浜へ。途中オルゴールの博物館に寄ったりする。横浜着は3時半頃か。子連れでやってきた妹交えて、両親宅で夕食。7時半過ぎに父に駅まで送ってもらい、京急つかって東京戻り。

11月3日(土・文化の日)
 昨日までとは打って変わって雨。午前中に仕事の原稿を仕上げて入稿。午後は図書館に借りていた本を返しに行くが、今日は祝日で図書館が休みなので、本は返却ポストへ。佃に戻ってお土産用にレバフライを10本買って、聖書フォーラムのオフ会へ。到着は3時半頃。適当に飲み食いして、6時過ぎに失礼することにする。
  映画瓦版オフ会が7時に有楽町集合だったのだが、幹事の僕が5分ほど遅刻。人数を簡単に確認して天津飯店へ。土曜日だからガラガラかと思ったら、意外なことに大勢の人。予約なしだったので少しヒヤリとしたが、なんとか2階の席に滑り込む。今回の参加者は僕を含めて9名。僕は聖書フォーラムのオフである程度下地ができていたので、ビールを数杯飲んで、あとは料理を適当につまんだりする。10時半頃まで歓談。今回の費用は2,050円でした。ここはいつ来ても2千円ぐらい。やっぱり安いなぁ……。

11月4日(日)
 前日はオフ会2連発だったのだが、注意深く飲み食いしていたせいか今朝は二日酔いの気配なし。快調だ。昨日は雨だったが今日は晴れ。午前中はCS。
 午後は渋谷で映画祭の最終日。コンペの上映は昨日ですべて終わっているので、今日は特別招待作品の『助太刀屋助六』とシネマプリズムの『痩身男女』を観る。『助太刀屋〜』はなかなか痛快な時代劇で、軽めの素材をごくあっさりとまとめていて好感が持てる。欲を言うなら、あと5分か10分短くした方がいいと思うけど。有無を言わさずサッと語ってストンと落とすぐらいでちょうどいいと思う。『痩身男女』はダイエットをテーマにした香港製のラブコメディ。主演のアンディ・ラウとサミー・チェンは『Needing You...』と同じコンビだが、これがふたりともブクブクの特殊メイク。最後にふたりともダイエットに成功して素顔になるわけだが、それまでの紆余曲折がじつに楽しく描かれていた。
 東京グランプリの上映もチケットを確保していたのだが、『痩身男女』を観終わって外に出た段階でグランプリが『スローガン』だと知ったため、この上映はパスして帰宅することにした。『スローガン』は既に観ている作品で、まぁ悪い映画ではないから「グランプリだ」と言われれば「あ、そうですか」と納得できる結果かな。他の作品を観ていないので、「やっぱりそうか」とは言えませんけれど……。

11月5日(月)
 映画祭で観た映画の感想がどっさり溜まっているため、今日は試写を休んで原稿書きに専念するつもりだったのだが……。時間があると邪念が入ってまったくだめ。メルマガの編集作業が一段落すると同時に、洗濯をしたり、買物に行ったり、料理をしたりで時間を使ってしまう。なんだっていきなり、小アジの南蛮漬けなんて作り始めるのかねぇ。例によってこれは、体のいい現実逃避なのだ。おまけに作った料理もあまりうまく行かなかった。次はもっとうまくやろう。

11月6日(火)
 溜まりに溜まった映画の感想を片づけるために、今朝は4時起き。やることが極端なんだよなぁ。でもそのおかげで、なんとか先週までの映画をすべて片づけることができた。追いつめられないと何も手を付けないんだよなぁ。
 午後は試写2本。その前に郵便受けを見たら、試写状が山のように入っていてびっくり。ワーナーから『ハリー・ポッターと賢者の石』の試写状が来ていたが、その体裁にはニヤリ。ポグワース魔法魔術学校からの入学案内になっている。驚いたのはブエナビスタの『プリティ・プリンセス』の試写状が来ていたこと。ブエナの試写状なんて久しぶりだと思ったら、これは宣伝会社の人が送ってくれたみたい。これらについては夜帰宅してからスケジュールを調節していたのだが、『ベン・ハー』だけで2本も試写を移動しなければならず、それがさらにビリヤードの玉のように他の試写予定を押し出していって……。それでも何とかすべての試写予定を手帳に押し込むことに成功。他にも回っている試写があるようだけれど、僕は基本的に試写状を受け取っている映画優先なので、他は順次電話で問い合せたりすることになるだろうと思う。
 午後の試写は渋谷のシネカノンでアルボファズル・ジャリリ監督の新旧2本。イラン・イラク戦争のさなかで撮られた『スプリング−春へ』と、フィクションとドキュメンタリーの境界を軽々と飛び越えていく『トゥルー・ストーリー』。前者は絵作りが端正だが、いわゆる普通にいい映画。後者はなかなか面白かった。
 軽く食事した後、シネフロントで『プラトニック・セックス』を観る。場内は3,4割は埋まってたかな。3週目の平日最終回でこの入りは、いいのか悪いのか……。映画はなんだか平板な仕上がりだ。携帯電話さえ出しておけば今風の物語になると勘違いしている脚本、薄ボンヤリとして個性の感じられない主人公たち、何の芸もヒネリもない演出。この程度の脚本でも、出演者の芝居に力があって演出もそこそこなら、ちゃんと最後に大泣きできるはずなんだけど。逆に演出がこの程度でも、脚本にもう少し鋭さがあればちゃんと現代の物語になったはず。要するにこれは、平凡以下の脚本、平凡以下のキャスト、平凡以下の演出が重なった、凡庸な青春映画なのだ。

11月7日(水)
 午前中に映画の感想を3本。最近自分の書く感想文が、妙に説教くさくなっているのが気になる。分析と検証をすっ飛ばしていきなり結論を出してしまうことも多い。わかっているけど直さない。自分にわかればそれでいいのだ。
 午後は映画美学校でアッバス・キアロスタミ監督の新作『ABCアフリカ』。キアロスタミがデジカム片手にウガンダを取材したドキュメンタリー映画だ。子供たちの表情が素晴らしい。いろいろ問題はありそうだけど、こういう子供たちがいる限り、国の未来は大丈夫だという信念が監督にはあるんじゃないだろうか。
 2本目は東映で『DEAD OR ALIVE FINAL』。竹内力・哀川翔・三池崇史によるシリーズ第3弾。今回は香港を未来の横浜に見立てたSFアクション。ビデオ撮影だし、過去2作に比べるとどうかなと思っていたら、最後の最後にやってくれました! いや〜、大笑い。これで三部作完結。1作目と2作目は無関係な話だと思っていたら、3作目ですべてに一本筋を通してしまった。しかも物凄く強引に。このあたりは、試写室内でもクスクス笑いが……。
 3作目はGAGAで来年公開のフランス映画『ジェヴォーダンの獣』を観た。これは面白い。18世紀に実際に起きた猟奇事件の謎に迫るコスチュームプレイだが、最初の1時間半ぐらいが真面目な歴史ドラマ。それが最後の最後に、ハチャメチャな痛快アクション巨編に大変身する。監督は『クライング・フリーマン』のクリストフ・ガンズ。マーク・ダカスコの切れのあるアクションもいいし、エミリエ・デュケンヌも可憐。そして、モニカ・ベルッチ! 最初はつまらないちょい役かと思ったら、終盤で大活躍でした。カッコイイぞ!
 帰り道にスーパーに寄って買物。帰宅してから肉じゃが作る。

11月8日(木)
 午前中に映画の感想を全部書いてしまう。AVジャーナルの購読料をオンラインで振り込む。(ドネーションの口座から賄いました。)叔母から荷物が届き、中に食料品がどっさり。缶詰、瓶詰め、乾麺、インスタントラーメン、砂糖、味噌、醤油。こういうのは助かるなぁ。ちょうど味噌と醤油がなくなりかけて、砂糖もそろそろかなと思っていたので、なんだか渡りに船だった。
 午後は徳間ホールでウィリアム・ワイラーの『ベン・ハー』。以前テレビで見ているはずだが、大きなスクリーンで観ると迫力がぜんぜん違う。これはテレビじゃぜんぜん駄目。DVDでも駄目だと思う。やっぱり圧倒されるような大スクリーンでないとね。徳間ホールで真ん中あたりに座ったのだが、もっと前の方に座ればよかったと後悔した。ところでこれって、キリスト伝だったのだなぁ。聖書でお馴染みの人物達が、それらしい顔をして出てくるのが面白かった。3時間40分もあるが、それがあっと言う間に感じられる。「映画を観たぞ!」という充実感。やっぱりすごいよなぁ。
 2本目は夕方からGAGAで『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』というロック・ミュージカル。面白い。曲もいい。でもラストの締めくくりは釈然としないなぁ。ちょっとわかりにくい。作品のテーマがここに込められているのはわかるけど、もうちょっと整理できるんじゃないだろうか。もっとも整理してしまうと、テーマがぼやけてしまうのかな。こうした混沌の方が、むしろいいという判断なのかもしれないけど。う〜む。

11月9日(金)
 午前中に映画の感想を書く。午後は試写2本+2本。まずはヘラルドで'67年のスウェーデン映画『私は好奇心の強い女』を観る。雨降りで自転車が使えず、地下鉄を使ったら遅れそうになった。ひやひやしたよ。映画女優志願の若い女を主人公に、当時の世相風俗社会問題などをたっぷり盛り込んだ内容。半分ぐらいがドキュメンタリーであり、四半分が映画作りのメイキング風、残りがフィクションという異色作。 2本目は映画美学校でリン・ストップケウィッチの新作『沈みゆく女』。これは面白かった。最後のオチにはあっと驚いた。まったく無関係に見えたふたつのストーリーが、一瞬にして一致していく場面はゾクゾクする。
 一度帰宅して食事してから、次の仕事の打ち合わせのため九段下にある雑誌編集部へ。12ページの大特集という、かなりボリュームのある仕事を引き受ける。締切まであまり時間がないので、来週はとんでもないことになりそう。試写の予定を全部組んでいたのだけれど、これは見直さなければなるまい。打ち合わせはあっと言う間に終わり、帰り道に「ハリー・ポッターと賢者の石」を買って帰る。
 帰宅して30分ほど仮眠。10時半過ぎに部屋を出て渋谷へ。フジテレビのDVD発売記念イベントで『南極物語』『ビルマの竪琴』を観る。上映前にプロデューサーを交えたトークショー。『南極物語』は劇場公開版よりテレビ放送版の方が時間が長かったと記憶していたのだが、プロデューサーは違いは一切ないと言ってたなぁ……。それって本当なのか? 荻野目慶子関連のエピソードは、最初の劇場公開では半分しかなかったように記憶しているのだけれど。当時の彼女は若手注目株の女優で(その後スキャンダルで沈没する)、タイトルにも大きくクレジットされている割に、劇中では1シーンにしか登場していなくて驚いたんだけど。これについては後日調べることにしたい。インターネットを検索しても、何も出てこないので……。
 『南極物語』はつまらない映画です。なぜこれが当時大ヒットしたのかよくわからない。『ビルマの竪琴』も面白くなかった。この2本には、脚本段階で大きな問題があるのだ。わかりやすいんだけど、わかりやすさゆえに「真相が明らかにされた驚き」が生み出す感動は皆無だと思う。午前6時頃に上映終了。帰宅した頃には夜が白々と明け始めていた。

11月10日(土)
 7時過ぎにベッドに入り、10時過ぎまで寝る。睡眠不足気味だが、起きあがって仕事。とりあえず今日が締切のものが2本あるので、それだけを夕方までに片づけて入稿してしまう。夜は9時過ぎにまた寝た。

11月11日(日)
 午前中にCS。そのあと銀座で松屋に寄ったり、話題の百日店を見たりする。午後は少し遅めの昼食の後、5時頃まで昼寝。その後月島で買物してから、仕事をはじめる。預かっているゲームをパソコンにインストールして、最初のいくつかのステージをプレイしてみた。面白そうだが、きりがなさそうなので適当なところでやめる。
 映画の感想がだいぶ溜まっているのでやり始めたが、これはどう考えても今日中には終わりそうもない。明日は明日でやることがあるしなぁ……。困ったなぁ……。
 今週はかなり仕事量があるので、見落とす試写がだいぶありそうな気がする。試写状をもらっていないところはあえて個別に問い合せてまで試写に足を運ぶことがないと思うし、試写状をもらっているところもいくつか取りこぼしが出てきそうな気がする。

11月12日(月)
 午前中は書き残した映画の感想を書いてしまう。午後は飯田橋の日仏学院でマフマルバフ監督の新作『カンダハール』の試写。映画が映画なので、普段あまり試写室で見かけないような人たちも大勢来ていた様子。逆に普段試写室で見かけるような人たちが、思ったよりも多くなかった。連絡が行き届かなかったのかな。映画はマフマルバフ監督らしい、美しい映画だった。社会的なテーマを持ちながら、同時にきわめて美しい作品でもあるというのは凄いなぁ。
 2本目はTCCでレスリー・チャン主演のアクション映画『ダブルタップ』。情緒的な描写やエピソードを最低限に絞り込んだ、ハードアクション映画。『ザ・ミッション/非情の掟』に近いテイストを感じたけど、影響受けてるのかなぁ。今日の映画はこの2本でおしまい。
 帰宅して簡単に食事した後、メルマガの編集と配信予約。

11月13日(火)
 午前中に映画の感想。午後は映画美学校で、同校の学生が作った短篇映画集《1st Cut 2001》のフィクション部門3作品の試写。子供のいない夫婦の精神的な危機を描く『つもってゆく…』は『おかえり』『おしまいの日』を連想させ、異母姉弟の母殺しと近親相姦的な関係を描く『Zero』は『閉じる日』みたいで、『蘇州の猫』はアイデアが『イルマーレ』と同じ。これを物真似だと批判する気はないけれど、似たようなアイデアから出発するなら語り口をもう少し工夫しないとなぁ……。
 3時半から渋谷で『フォロウィング』の試写を観ようと思ったのだが、到着したら『光の雨』をやっていた。その瞬間、自分が大失敗をしていたことに気づく。『フォロウィング』は試写日程が一部変更になっていたのだが、当初自分が観る予定にしていた試写は特に変更になっていなかったため、試写状に訂正の書き込みを入れたりしなかったのだ。それが別の試写との調整で『フォロウィング』のスケジュールを動かし、修正前の日程でスケジュールを組んでしまったというわけ。この日は6時からの試写に変更されたのだが、その時間は別の試写を観なければならないので『フォロウィング』は諦める。現場に配給会社の担当者がいたので、代替処置を用意してもらえたのはラッキー。
 本屋に寄って「ハリー・ポッター」関係の本を2冊購入。一度帰宅して、近くのスーパーで買物してから食事。荷物を整理してから丸の内ピカデリーで『ハリー・ポッターと賢者の石』の完成披露試写。この試写は丸の内ピカデリー2館を同時に使っての試写で、ものすごい行列にびっくりしたけどなんとか座ることができた。行列している最中も、館内に入ってからも、「ハリー・ポッター」の原作をずっと読んでいた。試写が始まる5分前に原作を読了。ギリギリだなぁ……。映画は原作にきわめて忠実。映画流にアレンジしている部分はほとんどないが、それこそがこの映画のコンセプトなのだ。文章では表現しきれないビジュアル面の細部を、映画が徹底的に埋めていく。原作を読んでいる人もちゃんと満足できると思う。
 映画は2時間半もあるので、終わったのが10時過ぎ。帰宅してから原作者のインタビュー本を読み、すぐに寝る。このインタビュー本は紙が分厚くてあっと言う間に読めてしまう。

11月14日(水)
 今日は試写を全部お休みにした。映画の感想をまとめた後、特集記事の構成案を作る。夜になって担当者と電話で打ち合わせして、構成案を全部作り直し。
 別の雑誌の編集者とも、次回の記事内容について打ち合わせ。取り上げる作品は『スパイ・ゲーム』か『バニラ・スカイ』か『バンディッツ』か……。どれもまだ試写を観てませんけど〜。今年の正月映画はどうなってるんだろう。まったく、ぜんぜん、わかりませ〜ん。記事を書きやすそうなのは『スパイ・ゲーム』なので、とりあえず編集部経由で映画会社にあたりを取ってもらうことにする。

11月15日(木)
 朝のうちにC誌の特集記事構成案を全部まとめて、編集部にメールで送信。本文自体はまだまったく書いてないんだけど、これで本当に締切に間に合うのかなぁ。すごく不安。
 10時半にD誌の編集者Tさんと渋谷駅で落ち合って、アーティストフィルムで青山真治監督のインタビュー取材。来年2月に『EUREKA』がDVD発売になるので、それに合わせたものだ。1時間ほどのインタビューだったが、定番の質問が30分ほどで済んだ後、場がすこしくだけてきてからが面白かった。僕はインタビューの仕事が結構好きで、こういう時に普段から疑問に思っていることなども一緒に聞いてしまう。そこからまた、別の話題に広がっていくこともある。青山監督はもっと気むずかしいのかと思ったら、こっちの焦点ぼけ気味の質問などにも、言葉を選びながら丁寧に答えてくれた。インタビューしやすくて助かったなぁ。
 Tさんと渋谷で食事して、例によってDVD販売の最近の事情などについて雑談に近い話。ここでいろいろ面白いアイデアが出ても、実際にDVDを売るのはメーカーであり問屋であり小売店だから、ただの雑談に終わってしまうんだけど……。D誌から新しい仕事が入ることになりそうで、その説明なども受けた。レギュラーの仕事が増えるのは、本当に嬉しいなぁ。ありがたい。
 東急文化会館の三省堂を少しぶらついた後、六本木までバスで移動してブエナビスタで『アトランティス/失われた帝国』(字幕版)の試写。ディズニーのスタッフもどっぷりと日本のアニメに浸ってるなぁ。日本のアニメの表現技法が、今ではすっかり世界標準になりつつあることがよくわかる。
 映画の後、六本木で本屋をぶらついて(こればっかり)、大江戸線で帰宅。スーパーで簡単に買物して、夕食は極端に簡単に済ませる。D誌の編集者Iさんと電話で簡単に打ち合わせをして、新しい仕事は来週中頃に入ってくることになった。来週末は3連休だが、月末にはW誌の締切もあるし、また例によって忙しい月末になりそうだなぁ。まぁ、いつもお金がなくてヒーヒー言っているより、仕事が忙しくてヒーヒー言っている方がよほど健全だけどね。

11月16日(金)
 午前中にインタビューの原稿をまとめ、とりあえず編集部に入稿してしまう。
 午後は映画美学校で『血を吸う宇宙』の試写。試写の回数が少ないこともあって、やたらと混んでいた。前作『発狂する唇』に比べると、少しパワーダウンしている気もする。ただし面白いシーンもたくさんある。
 映画の後は有楽町のソフマップに行ってみる。Windows XP発売直後だが、パソコン売り場は人がちょぼちょぼ。平日の真っ昼間だからこんなものかなぁ。その後、勝どきのスーパーに立ち寄って帰宅。買ってきたイイダコを煮たり、切り干し大根を煮たりする。
 C誌の特集がらみで、来週水曜日に取材が1件入った。なんだか月の後半だけは、売れっ子ライターのような忙しさになるなぁ……。

11月17日(土)
 C誌特集記事の記事を書き進める。思ったよりもはかどって、これなら日曜日にある程度のめどが付いてしまうかな。午後から夜にかけて私用で原稿に手が付けられなかったけれど、日曜日の午後でなんとか成りそうな気配が……。

11月18日(日
 午前中はCS。朝っぱらから、仕事場から銀座まで自転車をこぐのは辛い。帰宅して近くの公園の福祉祭というイベントへ。屋台で食事してから帰宅。寝不足気味だったので30分ほど仮眠取って、夕方からまた仕事。結構はかどったけど、誌面に使うスクリーンショットを取るのに時間がかかるかもしれないなぁ……。

11月19日(月
 前の晩は2時過ぎまで仕事をしていて、寝る前に「獅子座流星群」を見た。東京の明るい空でも、頻繁に流れ星が見えるのを確認。流星の後ろに雲か煙のような尾を引いているものまであって、まるで『アルマゲドン』みたいだった。
 おかげで今朝はちょっと眠い。それでもいつも通り6時に起きて、午前中にメルマガの編集などいつもの仕事。午後は映画美学校で『ヴィドック』というフランス映画を観たが、これは映像が派手な割に内容が退屈。途中で眠くなってしまったのは、寝不足のせいだけじゃないと思う。ビデオ撮りで、そもそも映像が“眠い”んだけどね。この映画の上映時間が短かったのと、やりかけの仕事を残していることや時計を忘れてきたこともあって、一度部屋に戻ってちゃちゃっと用事を済ませてしまう。3時半から徳間ホールでフルーツ・チャンの新作『ドリアン・ドリアン』。これはよかった。『リトル・チュン』のマク・ワイファンが再登場しているけれど、これが可愛いのだ。同じような役なので、まるで『リトル・チュン』の別バージョンのようにも見える。
 6時半から映画美学校に戻り、映画美学校の生徒たちが作ったドキュメンタリー映画を3本。《1st Cut 2001》のドキュメンタリー部門作品だ。1本目の『GO!GO!fanta-G』は、手法にちょっと面白さを感じるものの、作り手が自らの世界観を問うことなしに成立している独りよがりな部分が目立つ。「新しい歴史教科書を作る会」の主張はファンタジーだが、それを批判したり冷笑的に眺める人たちも、相容れない別種のファンタジーの中で生きているだけだと思うけどなぁ。2本目の『ナリタ、私の裸の王様』は取材してテープを回しているだけで内容がまったく未整理。3本目の『あおぞら』は、映画の途中でテーマが大きくずれてしまっている。最後の母親懇談会のシーンはもっと削らなきゃ。今回のドキュメンタリー集は、ちょっと低調だったなぁ……。上手さは求めないけど、作り手の姿が映画の中から見えてきてほしい。去年の方が面白い作品が多かった。
  帰宅したらがっくり疲れた。原稿に少し手を入れて寝る。

11月20日(火
 編集部から意見の付いた現行の修正をして入稿。なんだか自分でも釈然としなかったりするけど、これは時間切れってことなのかなぁ……。メルマガの発行手続きをしたり、記事に使うスクリーンショットを取ったりしているうちに、午前中の時間はあっと言う間に過ぎてしまう。
 午後は松竹で『ラットレース』。これは面白かった。笑える。最後のオチはアイヴァン・ライトマンみたいだったけど、まぁこれはこれでよろしい。2本目はUIPで『シュレック』。これはいい。ディズニーアニメの凋落ぶりに追い打ちをかけるような挑発的内容。『白雪姫』『シンデレラ』をこけにし、『美女と野獣』をひっくり返してみせる。
 当初はもう1本試写の予定を入れていたのだが、これは別日に回す。有楽町のビッグカメラに寄ってポータブルMD録再機と小型マイクを買う。最近インタビューの仕事が多いので、いいかげん持っていた方がいいかなと思っての購入。でも高いよなぁ。ポータブルテレコは1万円しないのに、MDだと3万2千円ぐらいの出費になった。最近貧乏な生活をしているので、僕はカードの請求が来る来月か再来月の生活を考えて憂鬱になったぞ。それでもあえてMDにした理由はいくつかある。ひとつは僕が現在テープデッキを持っておらず、MDのデッキなら持っているという事実。第2にテープだと録音時にどうしてもノイズが入り、後で聞き返す時に音声が不明瞭になるという実用上の理由。第3にMDはカセットのような巻き戻しや早送りが不要で、聞きたい場所をわりと簡単に探せるというデジタルならではの付加価値への期待。第4に録音時間が長いこと。最近のMDはLP4で80分×4倍の320分(5時間20分)もステレオ録音できる。これなら1枚のMDで長めのインタビューが4件か5件録音できる。加えてメディアが安く、しかも小さくてかさばらないから長期の保存も可能だろう。帰宅してマニュアルを見ながら実験的に録音してみる。音声は明瞭。大満足。実際に取材の場で使えるかどうかはまた別問題だけど。テーブルに置いて使うと、テーブルの振動を直接拾ってしまうので、何らかの工夫が必要になるとは思うけれど……。

11月21日(水
 午前中に映画の感想を1本書いただけ。今日は午前中から仕事があるので、これだけでおわり。トホホ。
 バタバタとあわただしく支度をして、茗荷谷にあるオンラインブックストア〈BK1〉のオフィスでインタビュー取材。大ヒット中の「ハリー・ポッター」について、その魅力を語ってもらうという企画だったのだが、長く時間を取った割にはあまり話が盛り上がらなかったのは残念。人数が多すぎたかなぁ……。ちょっと話が散漫になってしまった。今回はここで昨日買ったばかりのMDレコーダーが大活躍。やっぱり長時間が一気に録音できてしまうのは便利。4倍長録音でも声は明瞭に録音されていて、インタビューならまったく問題ないと思う。途中でギコギコ動作音として雑音が入るの困るが、これはちょっと工夫の余地ありだ。11時過ぎから12時半頃まで話を聞いて、一応の素材集めは終わり。これをどう編集するかについて、編集者と食事をしながら相談。というわけで、今日の午後1番の試写は別日回し。
 3時半から映画美学校で『約束/ラ・プロミッセ』という映画。疲れていたせいか前半はだいぶウトウトしてしまったのだが、この映画はすごくいい。寝たのは僕の体調の問題であって、映画の内容とは関係がない。ミシェル・セローが言葉と目の表情だけで素晴らしい芝居を見せる。新人監督のデビュー作だが、何度かホロリとするシーンがあった。
 疲れたので本当はもう帰宅したかったのだが、そうも言っていられない。6時からは東宝の試写室でフランス映画『恋ごころ』の試写。 監督はジャック・リヴェット。2時間半もある映画だけど、これもなかなか面白い。あ、今日はフランス映画2本立てだったのか……。
 試写の合間や移動中に、MDに録音した取材内容を聞き直していたのだが、取材直後に思ったほど内容のないインタビューでもなかったような気がしてくる。ところどころ盛り上がっている部分もあるので、そこを中心にすれば面白い記事になるかもしれない。ならないかな……。なるといいな……。なんにせよ、今日はもう眠いので寝る。明日もまた、試写を何本かつぶして仕事にあてないと間に合わないな……。
 昼過ぎにメールをチェックしていたら、別件で仕事の紹介が1件入った。原稿料は安そうだけれど、面白そうなのでやってみたい仕事。ただし、まだどうなるかはわからない。

11月22日(木
 仕事の方がかなりやばめの状態になってきたので、この日は試写の予定をすべてキャンセルして仕事に専念。インタビューの内容を聞き返しながら、なんとか夕方までかけて原稿を作る。ところがこれに編集部からダメだしが着いて書き直し。いつになったら終わるのかなぁ、この仕事。永久に終わらないんじゃないかという気がしてきたぞ……。
 試写日程のやりくりが結構たいへん。たぶん何本かは観られないまま終わってしまうんだろうなぁ。
 昨日仕事の紹介があったA誌から、正式に仕事の依頼のメールが来た。キリスト教系の雑誌で、主な読者は牧師さんなのかなぁ……。こんなところに僕が記事を書いてもいいのかなぁとは思うけど、まいいか。ヌード満載の実話誌にも記事を書く一方で、聖職者向けの雑誌にも記事を書くのだ。

11月23日(金・勤労感謝の日
 朝から仕事。9時半頃に部屋を出て、10時半頃から銀座教会のバザー。今年初めて行ったんだけど、すごい人。食堂で席を確保するのが大変だったけど、なんとか食事にありつく。おでん、カレー、おしるこ、クレープ、いろんなメニューがある。別に安くはないけど、バザーだからね。
 帰宅してC誌の仕事の追い込み。夕方にはなんとか仕上げてメールで入稿。こうやって長くやっていると、書いても書いてもそれに自信がなくなる。これでいいのかなぁ。結局最終的な判断は、編集者に下駄をあずける形になっちゃうな。
 夜はN誌の原稿を作ってメールで入稿。N誌は来週からレイアウトが変わって原稿の分量が増える。それにあわせて、原稿料も上がるのはありがたい。入稿後、新レイアウトに合わせたワープロ用テンプレートを作る。 用紙が縦位置だとうまくいかないので、今回は横位置にしてみた。
 WEB媒体P向けの原稿を準備。とりあえず12月公開の作品を5本選んだのだが、今回はまだ何とかなるのかな。問題は来月だなぁ。『バニラ・スカイ』はどうなるんだろうか……。『バンディッツ』も観てないし。
 仕事はかなりやってるけど、入金があるのは来年になってから。今月と来月はかなりヤバイ経済状態になっている。世間じゃボーナス時期だけど、フリーの物書き稼業にボーナスなどないしなぁ。今年は最後の最後まで、お金に苦労することになりそうです。
 冷蔵庫が空っぽだったので、近所のスーパーで買物。里芋の煮転がしと、ひじきの煮付けをどっさり作る。

11月24日(土
 朝からWEB媒体P向けの原稿を作る。一段落したところで、Y叔母さんから電話。食事に付き合うため自転車で八丁堀の駅まで迎えに出る。荷物を親戚宅に預け、地下鉄で銀座まで出る。一度松屋に立ち寄ってから、日比谷駅近くの黒豚しゃぶしゃぶの店で食事。食事コースを取りながら昼間から焼酎を飲み、デザートのアイスクリームまで。ひさしぶりにちゃんとした食事をした気分。肉をこんなに食べたのは久しぶりなので、なんとなく胃がもたれる。最近はすっかり胃袋が粗食慣れしてしまって……。
 食後は有楽町のビッグカメラでFAXを購入。一度に大量の資料を受け取る仕事を始めたので、今持っているホーム・ファックスではちょっと能力が貧弱すぎるのだ。30枚とか50枚という大量の資料送付を受けると、途中で絶対に紙詰まりを起こしてしまう。今回購入したのはキヤノンのMulti Pass C70というSOHO向けの複合機。これ1台でカラー対応ファックス、カラーコピー、カラー・プリンター、スキャナーとして使える。A4モノクロで270枚までメモリー受信できるというから、留守中に紙が切れたり詰まったりしてもまず安心。ただしこれだけでは留守番電話機能がないので、一番安い留守電を別途購入。せっかくだからLモード対応にしたけど、どうせ使わないだろうなぁ……。お店でLモードに申し込むと電話機の値段を3000円割り引くというので、大型液晶ディスプレイに魅力を感じてパイオニアのTF-LS50Sという機種にした。これは電話帳が漢字で入力できるので便利。
 帰宅したらくたくたになっていたので、今日は早めに寝る。仕事は明日早起きしてやろうと決意。だがこの決意はかなり怪しい。

11月25日(日
 朝は3時に目覚ましをかけたが、起きられるはずもなく、ベッドから出たのは4時頃。仕事もはかどらず、7時頃までに映画の感想を2本ほど仕上げただけだった。まずいなぁ。8時前に部屋を出てCSへ。途中でおもわずウトウト。11時頃帰宅すると、ドアに不在連絡票。昨日買ったFAXが届いたようだ。電話して今日中に再配達してもらうことにする。
 お昼を食べてから本格的に仕事。といっても今日はまず、たまりにたまった映画の感想文をかたづける。これが終わらないと、長く便秘が続いているような落ち着かない気分になる。ず〜っと同じ作業をしていると精神的に疲れてくるので、夕方気分転換に少し外出しようかと思った矢先、宅配業者がFAXを持ってきた。早速箱を開いてパソコンに接続。なんだかんだで、これだけで1時間以上かかってしまう。夕食の支度と同時進行だったので、味噌汁は煮え立つ、魚は焦げるで大変。接続してしまうと、これは快適だ〜。プリンターとして使っても、プリントアウトに要する時間がきわめて短い。あっと言う間にプリントアウトしてしまう。これだけでもすごく快適。プリンタドライバーやFAXドライバーなど、不要になったソフトをアンインストールしてしまう。それでもメモリーが結構きつい状態だ。次はパソコンをWindows XPにしなきゃならないのかな。次から次ぎにお金がかかるなぁ……。不要になったFAX、プリンタ、スキャナの引き取り手も捜さなければならない。
 映画の感想は9時頃に全部終わった。ここからやっと最後の仕事に取りかかる。分量が多いのに、これは明日締切。間に合うかなぁ……。他に今月締切の仕事が1本あって、それもまったくの手つかずになっているのだけれど……。う〜ん。やっぱりヤバイ状態だなぁ。

11月26日(月
 午前中に今日締切の原稿を書く。少し残して、あとは夜に回す。午後はGAGAで『ぼくの神さま』。ハーレイ・ジョエル・オスメントが、ナチス占領下のポーランドで生きるユダヤ人少年を演じる。う〜ん。あまり感心しないなぁ。神保町に移動して、岩波シネサロンで『元始、女性は太陽であった/平塚らいてうの生涯』。2時間半の映画を、シネサロンのパイプ椅子で観るのはちょっと辛い。でも面白い映画だった。
 帰宅して仕事の残りをまとめ、メールで入稿。入稿前に原稿をプリントアウトしたのだが、新しいFAXプリンターは印字速度がめちゃくちゃに速い。FAXとしてよりプリンタとして使うことの方が多いから、これはじつにありがたい。だぶついたプリンタ、FAX、スキャナを処分。

11月27日(火
 午前中は昨晩入稿した原稿の手直しと、メルマガの編集と発行手続き。 映画の感想は手つかずのまま、午後になってしまう。週の始まりから作業が遅れ気味。やばいぞ。今週金曜日までに、W誌の原稿を作らなければならないのに。宅急便でW誌用のサンプルビデオ到着。試写状が届いていない作品のマスコミ試写予定を聞くため、配給会社数社に電話で問い合せ。
 午後はTCCでアーシア・アルジェント監督の『スカーレット・ディーバ』。ビデオ撮り。あまり面白くない。
  次の試写まで少し時間があったので、有楽町のソフマップで128MBのメモリを購入。本当はもっと大容量のものが欲しいのだが、僕が現在使っているPresario 3570は、128MB×2スロットで256MBまでしかメモリを増設できないのだ。CPUの動作速度などより、こういう部分でパソコンの寿命が来てしまうのかもしれない。192MBが256MBになったわけだが、これで動作は少し快適になるかな……。
  2本目は東宝でジャン・レノと広末主演の『WASABI』。これはそこそこ面白かった。スタッフは『TAXi2』と同じだとか。なるほどね。食事したり本屋に行ったりして時間をつぶし、6時半頃から日本劇場前で『スパイ・ゲーム』の完成披露試写の行列に並ぶ。映画は面白かった。さすがトニー・スコット。やることにそつがない。終盤で少しもたつくけれど、傑作『クリムゾン・タイド』をちょっと思い出した。東宝の前に自転車を放置したままだったので、一度日比谷まで戻ってから帰宅。もう10時。あ〜あ。

11月28日(水
 午前中から映画の感想をこつこつと書く。昼に差し掛かってもあまりはかどらないので、午後は試写を1本別日に回して作業を続けることに。3時過ぎになってバタバタと身支度して3時半からの試写に出かけたのだが、自転車をぶっ飛ばして試写室に到着したら、場所を間違えていたことに気づいた。もう行っても間に合わない。あ〜あ、今日が最終試写だったのに。なんで間違えちゃったのかなぁ。一応資料だけもらいに試写室へ。追加試写がないことを再確認してすごすごと帰る。こうなったら今日はもう試写なしで、溜まった仕事を一気に片づける日にしようと決意。
 決意したのもつかの間、帰りにトリトンスクエアに寄って自転車を見たりしてました。新しい自転車が欲しいのです。変速機付きのシティサイクル(ママチャリよりもう少しスマートなもの)か、折りたたみ自転車がほしい。うちは自転車をマンションの前に雨ざらしだから、むしろ折りたたみを買っていちいち部屋まで引き上げた方がいいのかなとも思うけど……。そうすると泥よけや前カゴ、ライトなどを追加パーツで付けなければならず、それなりに費用がかかってしまうんだよなぁ。電車でも運べる小さなサイズのものがいいのか、室内収容のみを考えた省スペースタイプに割り切るかでも悩んでしまう。とりあえず省スペース型を買ってみようかなぁ。生活費にも困って借金生活をしている身の上で、このように物欲だけは肥大していくのである。
  トリトンの帰り道、スーパーに寄ってイカを買う。先日叔母さんに貰った大根がしなびないうちに、イカ大根を作ろうという考えが突如浮かんだ。最初はぶり大根にしようと思ったのだが、ブリのアラがなかったのでイカにした。ちなみにイカを料理するのは初めてだが、最近はいろいろなレシピをインターネットで検索できるので、初めての料理でもまかせなさい!という感じになってきている。まぁこの手の煮物は、誰がやったって失敗しないようになってるんだけどね。ところでうちは無洗米を使っているので、大根を下ゆでするとき米のとぎ汁がない。しょうがないから生米を少し一緒に煮るんだけど、無洗米でも効果があるのかなぁ……。

11月29日(木
 午前中に映画の感想を全部書いてしまう。といっても、前日は何も観ていないんだから『スパイ・ゲーム』の感想を書いただけだけど。銀行の人が来たりして、まぁいろいろと時間が潰れてしまう。
 午後は徳間ホールで《上海アニメーションの奇跡》のAプログラム。短編5本の上映だが、水墨画アニメというのが3本ほどあったのは面白かった。絵のタッチが『ホーホケキョとなりの山田君』みたいだけど、これはデジタルペイントなど使わずすべて手作業で作っているのだから驚き呆れるしかない。「胡蝶の泉」はセルアニメだが、キャラクターのデザインなどが面白い。 「牧笛」は少年のしぐさと表情がいい。水の中を泳ぐ魚の表現にもびっくりした。「猿と満月」はちょっとウトウトしてしまった切り絵アニメ。「琴と少年」は小舟をあやつる少年の動きがいい。「鹿鈴」は少女と子鹿の別れの場面でホロリとさせる。
 2本目はTCCでアレックス・デ・ラ・イグレシア監督の『みんなのしあわせ』。オープニングからヒッチコック風のサスペンス・スリラー路線を狙ったタッチで、古びたアパートの住人全員が結託して自分を殺そうとしているというパラノイアチックな恐怖を描いている。クライマックスはやはりヒッチコック流の高所恐怖症型サスペンス。露骨な合成などもヒッチコック映画のパロディなのだろう。ここまで完璧にヒッチコック風を貫いているのに、その合間に突然『マトリックス』を挿入する、イグレシア監督の笑いに対する貪欲さ! ここはイスからズッコケそうになるくらい笑った。『スター・ウォーズ』のファンも必見。
 3本目は同じくTCCで、同じGAGA配給、同じスペイン映画の『マルティナは海』を観る。ホメロスの叙事詩「オデュッセイア」を現代風にアレンジしたような映画で、放浪の末に妻の元に戻る男の名前はウリセス。
 本屋に立ち寄ってから帰宅。W誌の締切が来週まで延びたので気持ちに余裕が生まれ、酒を飲みながら作り置きしてあった肉じゃがを全部食べてしまった。 あ〜あ。

11月30日(金
 午前中に映画の感想を1本だけ書く。東京三菱銀行の新口座が決まった。今度はぜったいに他の支店と統廃合されそうにない「本店」に口座を作ってメインにするのだ。
 午後は東映で『サクラ大戦・活動写真』『スレイヤーズぷれみあむ』。『サクラ大戦』は面白くない。これは原作であるゲームを知っているとか知らないとか、そういうレベルの問題ではなく、映画そのものが面白くない。『スレイヤーズ』は面白かった。
 2本目(実質3本目)はシネカノンで韓国映画『寵愛』。これもだいぶボンヤリした印象の映画。ラブシーンの数は多いが、セクシーでもエロでもない。映画の後、渋谷の献血センターで400ccの献血。
 夜はニュー東宝シネマで未見だった『ロード・キラー』を観る。もっとだめな映画かと思っていたら、意外なことにこれが面白かった。ショッカー演出の次の一手がすべて読めるという、きわめてわかりやすく安心できる作りになっている。観客に過度な緊張を強いることのない、心臓に優しい映画なのだ。(ほめてるんだかけなしてるんだか……。)スピルバーグの『激突』と、最近の青春ホラーを組み合わせたような内容。ただし出演者に魅力がないのは大きなマイナス。このあたりが観客の少なさとして現れているようにも思う。 映画の後、数寄屋橋の不二家ビルにある居酒屋で少し飲んでから帰宅。



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