2000年8月の出来事

8月1日(火)
 朝のうちに前日観た映画の感想を書いてしまう。10時過ぎに近所の床屋へ。先客がいたので少し待たされてお昼過ぎに散髪終了。時間があまりないが弁当を買って素早く昼食を済ませ、TCCで『『紅の拳銃』よ永遠に』を観る。なかなかの好印象。2本目はGAGAで『ハリウッド・ミューズ』を観たが、これは面白くなかった。
 夜は大森のニフティ本社でフォーラム・マネージャーの勉強会。テーマは「2ちゃんねる」。その後、駅近くの居酒屋で2次会。飲みかつ食べる。

8月2日(水)
 昨晩は飲み会だったため帰宅しても何もできず、しかも今朝は朝寝坊で8時起き。せっせと前日の宿題を片づける。午後からはヘラルドで『フィオナが恋していた頃』。俳優のアイダン・クインが、兄弟3人で作ったアイルランドもの。イマイチ。2本目は土橋で『WEBMASTER』というデンマークのSF映画。いかにも低予算で、まるでテレビ映画みたい。しかも英語吹替版で、台詞には感情がこもってません。眠たくなる。簡単に食事して、京橋で『三文役者』。これは面白かった。

8月3日(木)
 午前中に映画の感想文を3本書く。午後は渋谷で大林監督の映画を2本。どちらも既にテレビ放送済みの作品だが、その劇場向け完全版。1本目は大林監督自身の少年時代を描いた『マヌケ先生』、もう1本は淀川長治の少年時代を描いた『[淀川長治物語]神戸篇/サイナラ』。映画としては『マヌケ先生』の方がよくまとまっていると思う。
 本日誕生日。34歳になった。帰り道にデパートの地下でシャンパンのハーフボトルを買う。

8月4日(金)
 午前中に前日観た映画の感想を書いてしまう。午後は渋谷でフリッツ・ラングの『条理ある疑いの彼方に』というサスペンス映画を観た後、京橋でマイク・フィギスの『セクシュアル・イノセンス』。前者はじつに明快な映画。後者はじつに難解な映画。3本目を観に新橋まで出る予定だったのだが、それは別日にして帰宅。ポツリポツリと仕事をやらねば。夏休み進行で、今週末は原稿締切のピークです。来週は落ち着くのかなぁ……。

8月5日(土)
 前日の夜に『セクシュアル・イノセンス』の感想を書いてしまおうと思っていたのだが、これがなかなかの難物で翌日持ち越し。これに結構時間を食ってしまったことに加え、新潟Week!、Cinema Neco、TOKYO1週間などの締切がバッティング。朝から机の前でコツコツと原稿を書き続ける。

8月6日(日)
 朝はCS。一度帰宅して、昼頃から銀座で昼食と買物。帰宅して昼寝。その後また買物して仕事。

8月7日(月)
 午前中にメルマガの編集。昼前に区役所へ。昼食を銀座で食べて、午後は京橋で『EUREKA』。3時間半以上ある映画で、最後の方はトイレに行きたくなってしまった。映画自体は面白い。夕方からは土橋で『ザ・ディレクター[市民ケーン]の真実』。テレビ映画だがまずまずの内容。狙いはよくわかるが、パンチ不足かな……。
 帰宅してから、アル・ジョルスンの『ジャズ・シンガー』をビデオで見る。面白いし感動した。新作映画より、70年以上前に作られた世界初の長編トーキー映画の方が面白いとは……。

8月8日(火)
 午前中にメルマガの配信予約作業を行い、前日観た映画の感想も書いてしまう。午後はFOXで『X-メン』の試写。仮面ライダー世代の僕には、とても懐かしい世界だった。超能力を持ったミュータント同士が戦うという設定も、横山光輝の「バビル2世」みたい。
 京橋であと2本観るつもりだったのだが、『独立少年合唱団』は10分前の段階で補助席まで満席とのこと。追加試写の予定表をもらったが、夕方の試写までどうしようか……。結局夕方の試写も別日に移動し、夜は某映画の上映運動打ち合わせのため渋谷へ。「某映画」がどこの会社のどんな映画なのかをまだ書けないのがなぁ……。打ち合わせ(実質的には飲んでたんですが)でも、その件に関して不満が集中。結論は来週にも出る予定。帰宅は12時頃だった。

8月9日(水)
 午前中に少し仕事。午後は京橋の試写室で『ジュリアン』を観た後、ワーナーで『エクソシスト(ディレクターズ・カット)』を観る。帰宅してからDVDの『エクソシスト(特別版)』を見て、オリジナル版との違いを大雑把に確認する。

8月10日(木)
 いつもより少し朝寝坊。冷蔵庫が空っぽなので、昨日観た映画の感想文を書く合間に近所の生協で買物。午後は松竹で『パパってなに?』を観た後、期待と不安を抱えてソニーで『パトリオット』の試写。これが意外と悪くなかった。途中でややだらけるところもあるけれど、テーマやメッセージは明快で2時間半を超える長丁場もさして苦にならない。一度帰宅して早めの夕食をとり、夜は渋谷東急で『最終絶叫計画』の試写。これもまったく期待していなかったので、それなりに楽しめました。

8月11日(金)
 午前中に感想文のまとめ。午後は渋谷で増村保造の『卍(まんじ)』を観た後、GAGAで『硝子のジェネレーション/香港少年激闘団』の試写。この後雑誌の編集者と会う予定だったのだが、先方の都合で突然キャンセルになる。

8月12日(土)
 映画の感想を書いたり、仕事の原稿を書いたりする。夕方から晴海の花火大会。台風接近で中止かと思われたが、雨も降らず無事に実施された。近所はすごい人出。

8月13日(日)
 雨が降るような降らないような、変な天気。午前中は何もせずボンヤリと過ごし、午後は買物に出たりする。

8月14日(月)
 ラジオから大分の6人殺傷事件のニュースが流れてきたところで目覚める。最初はどこの国の話かと思ってしまったが、日本での事件だと知ってびっくり。昼前には犯人が15歳の高校生だというニュースが流れてまたびっくり。日本もなんだか、奇妙な国になってきている。
 午前中は原稿書き。午後はソニーで『電話で抱きしめて』を観た後、買物して帰宅。今日と明日は、さすがに配給会社も夏休み体制らしく、試写の本数は激減。それでもソニーの試写室は結構混んでいた。これで映画がもっと面白ければよかったんだけど……。

8月15日(火)
 朝は少し寝坊してから、午前中に『電話で抱きしめて』の感想を書き、午後はプレス資料の整理。3時過ぎからソニーで『グリーン・ディスティニー』の試写。昨日と同様、結構混んでいた。今日はこれしか試写がないから、集中しているんだろう。試写室のクーラーが不調らしく、少し汗ばむような室温。映画の終盤に映写機がストップするというトラブルが2度も続き、いささか興ざめしてしまった。これが映画館なら「金返せ!」と劇場に食ってかかるところだけれど、試写だからそうも言えないし……。でもこういう場合、フィルムを少し巻き戻してから上映を再開してほしい。
 帰宅したらまた試写状が来ていた。最近、本当に試写が多い。クリアファイルに試写状を入れて、試写室ですぐに取り出せるように整理しているのだが、これが今日ついにパンクした。つまり未見の試写状が40枚以上あるということだ。こんなこと、今までに1度もなかったんだけど……。最近もらった試写状で楽しみにしているのは、ルネ・ラルー&メビウスの『時の支配者』。これは今から17,8年前、科学技術館のホールでフランス語版の上映を観ているし、日本で発売されていたビデオ(英語版)も購入して持っていた。僕は『ブレードランナー』を封切りで観た時より、『時の支配者』の方がカルチャーショックを受けました。

8月16日(水)
 午前中に映画の感想書いて、12時半から京橋で『恋するための3つのルール』の試写。普段の試写より30分早く始まる理由がなぜなのかはよくわからないが、自転車をぶっとばしてなんとか遅刻せずに済んだ。相変わらず試写室は混んでいる。次の試写まで少し時間があったので、遅めの昼食を取って、教文館で少し時間つぶし。3時半からヘラルドで『ダンサー』の試写。リュック・ベッソン原案・脚本・提供の映画だが、これがじつにつまらない。『ロッキー』と『フラッシュダンス』を混ぜたような話で、見せ場はダンスのはずなのに、そのダンスに魅力が全く感じられない映画だった。こんなものを丸の内ピカデリー2系で公開して大丈夫なのか?
 一度帰宅して軽く食事した後、夜は六本木で映画フォーラムのスタッフと某映画の上映に関する打ち合わせ。打ち合わせの後、飲みながら映画について雑談。帰宅したら12時を回っていた。

8月17日(木)
 昨夜は何もできずに寝てしまったので、今朝は昨日観た映画の感想を書いた後、仕事の原稿も少し手を着ける。午後は松竹で邦画2本。『老親』は老人介護問題をテーマとしたホームドラマだが、主人公が「進歩的」で「自立した女」に憧れる、ただのわがまま女に見えてしまって失敗。高校生の娘を家の中で恋人と同棲させる母親に、同世代の観客が共感できるだろうか? やけに物わかりがよすぎるこの主人公は、僕から観ても相当に気持ち悪いぞ。この人がどんな「家庭」や「家族」を理想としているのか、僕にはさっぱりわからない。2本目は黒木和雄監督の『スリ』。主人公の住んでいる場所が、僕の住まいのすぐ近所。目と鼻の先。じつはこの撮影を、僕は偶然見かけているのだ。映画の中盤には、僕が観た撮影シーンもちゃんと入っていた。ご近所映画は面白い。簡単に食事した後、3本目はヘラルドで『シベリアの理髪師』。ロシアの大統領になりたかったニキータ・ミハルコフはこの新作の中で、ロシア皇帝アレクサンドル3世を気持ちよさそうに演じている。

8月18日(金)
 午前中に映画の感想を書き、その後、仕事の原稿を書く。午後は六本木で『キッド』を観た後、浜松町で『マイ・ドッグ・スキップ』を観て、その後日比谷で『アンジェラの灰』。3本とも洋画。3本とも「大人が子供時代の自分を回想する」という映画。2本目と3本目は実話の映画化。3本とも面白く、感動できる。
 帰宅してメール類を片づけ、感想などを少しずつ書いてしまうことにする。土日は仕事が結構たまっているので、少しでも仕事を前倒しにしなければ……。

8月19日(土)
 午前中から原稿書き。「X-ファイル」のLD解説書の仕事その他。夕方から散歩がてら門仲へ。まだ夏休みで、閉まっている店が多い。赤札堂まで休んでいた。富岡八幡は15日までお祭りだったので、その直後の境内は閑散としている。人出もまばら。

8月20日(日)
 午前中に「X-ファイル」のビデオを見てメモの整理。午後は近所の公園。なんだかぐったり疲れた。

8月21日(月)
 朝からメルマガの編集や「X-ファイル」のビデオを見てのメモ整理だの、何かと忙しい。午後は渋谷で『DOWN UNDER BOYS』を観た後、新宿パークタワーで『今森光彦の里山物語』というドキュメンタリー映画の試写。時間がぎりぎりで、間に合わないかと思ってしまったがすべり込みセーフ。ハイビジョン撮影で50分ほどのドキュメンタリーだが、これがなかなか面白いし考えさせられる内容。松竹に『未来日記』の上映時間について問い合わせ。3本目は松竹で『NO FUTURE / A SEX PISTOLS FILM』というドキュメンタリー映画。これも面白かった。松竹からは歩いて帰る。今日は夜になっても蒸し暑く、部屋につく頃には汗だく。

8月22日(火)
 午前中に映画の感想を少し書いたのだが、少し残したまま午前中から試写。10時に松竹で『映画版・未来日記』。1時からヤマハで『インビジブル』。3時半からソニーで『ちんちろまい』。6時からGAGAで『デトロイト・ロック・シティ』。9時15分から東京アイマックスシアターで『マイケル・ジョーダン・トウ・ザ・マックス』。1日に5本はさすがにきつい。帰宅したらもうグッタリ。

8月23日(水)
 前日に5本も試写を観たので、その感想を書くのにかかりきり。午前中に4本分を書き上げてホームページを更新。しかしそこまで。午後は徳間で『BLOOD / The Last Vampire』を観た後、東映で『ekiden』を観る。どちらも面白かった。特に『ekiden』は予想をはるかに超えたでき。不器用なところもあるけれど、これはなかなかいいぞ。一度帰宅してシャワー浴び、再度六本木に出かけて某映画についての打ち合わせ。12時前には帰宅できたが、やっぱり疲れるなぁ……。

8月24日(木)
 午前中に「X-ファイル」の解説書の原稿を仕上げてしまう。その後、映画の感想を書くがほとんど進展なし。ひどく疲れていて、試写に出かけるのがおっくうになる。午後はシネカノンで『わたしが美しくなった100の秘密』というミスコンのパロディ映画。特別面白くはない。2本目は半蔵門で『カラフル』。これはなかなかよくできた映画だった。好感が持てる。一度帰宅してから夜に『スペース・カウボーイズ』を観に行く予定だったのだが、この時点で疲労困憊していたため試写を断念して8時半頃寝てしまう。

8月25日(金)
 午前中にホームページの掲示板に長文を書き込みしていたりしたら、仕事の時間がなくなってしまった。これじゃ早起きしても意味がない。午後は渋谷で『盲獣』を観たあと、六本木のGAGAで『愛のコリーダ 2000』と『タイタス』の2本立て。どちらもすごく混んでいた。『タイタス』は補助イスで観ていたのだが、最後はオシリが痛くなりそうになった。

8月26日(土)
 午前中に原稿を1本書き上げて入稿。その他、映画の感想なども少し書く。夕方からMLのオフで信濃町の屋外ビアガーデン。その後渋谷に移動して、夜は『最終絶叫計画』の先行オールナイトを観る。マスコミ試写同様、マスクマンがポップコーンを配ってました。

8月27日(日)
 仕事もあるはずなのに、たまった映画の感想文から片づけていく。昼間は町内会のお祭りへ。炎天下の道路に臨時の露天が並び、焼き鳥もビールもおでんもみ〜んな100円。ラムネやかき氷は50円。学園祭の模擬店みたいで楽しい。夕方から感想文書きの続き。

8月28日(月)
 朝から原稿書き。午後の試写は1本を別の日に回し、もう1本はキャンセルしてしまった。本当は1本だけでも行くつもりだったのだが、部屋を出るのが遅れて間に合いそうもなくなったので、諦めて残った原稿を仕上げてしまうことにしたのだ。最終試写を見落としたのは痛いが、おかげで原稿は1日で全部仕上がった。メルマガの編集なども全部OK。
 夜は「ビデオコレ見ナイト!」の打ち上げで渋谷の居酒屋。居酒屋に入る前に、ビッグカメラで『ジョーズ』のDVDを買った。その場がお開きになった後、2次会は近くのキャバクラ。この手の場所は初めてなので、女の子と喋るより周囲の観察の方が面白かった。12時過ぎに店を出て、ちょうど近所に住んでいる営業の人と一緒にタクシーで帰宅。『ジョーズ』のDVDを見始めてしまい、気づいたら2時過ぎ。慌てて寝る。

8月29日(火)
 朝起きたら二日酔い。昨日は映画を観ていないので感想文のノルマなし。原稿も昨日のうちに全部入稿済み。こういうときに、床屋に行っておく。いつも行っている床屋に行く既に別の客がいたので、同じ町内の別の床屋に行ってみる。早かったのはいいが、慣れない床屋に行くと仕上がりがちょっとヘンなんだよね……。まぁ1ヶ月もすればまた髪など伸びてしまうので、ごちゃごちゃ言うようなことでもないんだけど。
 午後は京橋で『ラヴァーズ』と『きかんしゃトーマス』を観たが、どちらも途中でウトウトしてしまった。昨夜寝たのが遅かったのと、今朝は二日酔い気味で早い時間に目が覚めたので、どうにも寝不足気味なのだ。3本目は新橋で『ホーク B計画』。これは寝なかったけれど、あまり面白くもなかったな。アクションはすごいけど、香港映画のアクションに対する要求水準が高すぎて、この程度では驚かなくなっている。同じことを日本でやれば「すごい!」と言われるんだろうけどね。アクション演出の切れ味もあまりよくない。

8月30日(水)
 午前中に昨日見た映画の感想を全部書く。午後は松竹でジュード・ロウ主演の『ミュージック・フロム・アナザー・ルーム』の試写。これは気に入ってしまった。大した映画じゃないんだけど、なぜか欠点のすべてが許せてしまう映画。不思議。気に食わないのはこのタイトル。長すぎる。覚えられない。パソコン通信でタイトルを入力しようとしたら、長すぎて数文字はみ出してしまう。(ナカグロを半角にしたら何とか入った。)邦題を考える人は、なるべく短めにしてほしい。2本目は京橋で山城新伍の新作『本日またまた休診なり』を観る。これもいい映画だった。特別うまくはない。でも手堅い映画。大冒険はしていないけれど、自分の作りたいものをきちんと作っているような気がする。簡単に食事した後、3本目は松竹に戻ってアンジェイ・ワイダの新作『パン・タデウシュ物語』。2時間半の映画で、最初の30分は少しウトウト。この映画はあえて舞台劇のような演出になっているのが面白い。

8月31日(木)
 朝のうちに映画の感想をまとめてしまう。10時過ぎにアスキーのテック・ウィンという雑誌が、特集の取材のためにやってきた。近所の公園で写真撮影した後、仕事部屋で1時間ほどインタビュー。ほとんど雑談。どういう記事になるんだか、まったく予想がつかない。10月8日売り号に記事が掲載され、CD-ROMにインタビュー全文も収録されるそうだ。
 午後は京橋で『パリの確率』。セドリック・クラピッシュ監督のSF風ファンタジー。2本目は新橋の徳間ホールでトラボルタとバリー・ペッパー主演の『バトルフィールド・アース』。サイエントロジーの教祖L・ロン・ハバードの書いた原作を、熱心なサイエントロジー信者であるトラボルタが映画化したものだ。これがひどくつまらない。どのくらいつまらないかというと、『タイタンA.E.』よりもつまらない。ちなみにプレス資料には、当然ながらサイエントロジーのサの字も登場しない。簡単に食事した後、ヘラルドで『オータム・イン・ニューヨーク』を観る。当然テーマ曲に「オータム・イン・ニューヨーク」を使うのかと思ったら、最後の最後まで1度もメロディが出てこなくて拍子抜け。難病の若い女性にプレイボーイが惚れて本当の愛を知るというメロドラマだが、いまいちノレずに最後まで白けていた。



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