原題は『The Story of Us』。これは主人公たちがそれぞれの一人称で語る「私たちの物語」という意味であり、同時に「アメリカの物語」という意味でもあるのだろう。要は「どこにでもある普遍的な物語」という意味だ。この映画の主人公たちのように、生活の中の些細なすれ違いで夫婦関係が崩壊してしまうケースはすごく多いはずだ。これはアメリカでも日本でも変わりないだろう。離婚原因のトップは、常に「性格の不一致」なのだ。これはなかなか厄介で、他人が話を聞いても「なんだそんな些細なことで」と思うようなことかもしれないが、本人たちにとっては絶対に妥協できないことだったりする。この映画では、仲睦まじいアツアツのふたりが些細な言葉のやりとりから一瞬にして大喧嘩を始めたり、気持ちや言葉が一方通行になってしまう場面が何度か登場する。こうした場面に身につまされる人も多かろう。