圧倒的な資本力で世界制覇を狙うハリウッド作品を前に、「あれはウチじゃ無理だ」と諦めていたのが、日本も含む非ハリウッド映画界の最近までの傾向だった。「お金をかけなくてもいい映画は作れる」「アクションや特撮はハリウッドに任せておけばいい」「最後は人間ドラマで勝負だ」と、ハリウッドに背を向けて映画を作ってきた結果、どの国の映画市場もハリウッド作品に席巻されてしまったという悲しい現実がある。しかし最近はどの国の映画界でも若い才能が登場し、今までのように非ハリウッド的な作品作りをするのではなく、あえてハリウッド的な方法論で映画を作ろうとし始めている。『ドーベルマン』『TAXi』などのフランス映画や、『バンディッツ』『ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア』などのドイツ映画、日本でも『踊る大捜査線 THE MOVIE』は邦画よりハリウッド映画を参考にしているのが明らかです。この韓国映画『シュリ』も、まさにそうした思考法で作られている。