しかし映画がここで終わったのでは、単なる「エルヴィス・マニアの変なオヤジがいた」というだけの話。それじゃ「エルヴィスは生きていた!」という話にならない。この映画では最後にもう一度大きなどんでん返しを用意して、「あの男は、いったい何者だったんだ?」「ひょっとして、やっぱりエルヴィスなのか?」「そうだよ、あれはエルヴィスだったんだよ!」という結論に持っていく。両手を上に突き出して「Remember the king!」と叫ぶエルヴィスが、雑踏の中に消えていくエンディングの素晴らしさ。エルヴィスは「キング」を廃業して、今は心に傷を持つ人々を救う天使になった。