ユニバーサル・ソルジャー

リジェネレーション

2010/04/27 SPE試写室
ジャン=クロード・ヴァン・ダムとドルフ・ラングレンが再共演。
しかしふたりとも年を取りました。by K. Hattori

Us3  ロシア首相の息子と娘が見学中の美術館から重武装のテロリストに誘拐され、チェルノブイリの旧原発跡地に連れ去られる。要求は政治犯数百人の釈放。要求が聞き入れられないときは人質を殺すだけでなく、旧原発を破壊して放射能を世界中にまき散らすというのだ。この事態にいち早く動いたのはアメリカだった。国際的な環境テロに対する対抗処置ではない。アメリカから姿を消した新兵器が、テログループの手に渡っているらしいことがわかったためだ。それはNGUと呼ばれる究極の戦闘マシーン。クローン技術で作られた、血も涙もない不死身のサイボーグ兵士、最新型のユニバーサル・ソルジャー(ユニソル)だ。アメリカはNGUに対抗するため旧世代のユニソルを再起動させて鎮圧に向かうが、NGUの圧倒的な戦闘力の前に全滅させられてしまう。そこで現地に送り込まれたのは、現場を離れて人間としての社会復帰訓練を受けている第一世代のユニソル、リュック・デュブローだった。だがテロリスト側に協力した科学者は、テログループに隠してもう一体のユニソルをチェルノブイリに持ち込んでいた。

 1992年に製作された『ユニバーサル・ソルジャー』は、ローランド・エメリッヒのハリウッド・デビュー作であり出世作。主演はジャン=クロード・ファン・ダムとドルフ・ラングレン。本格的に空手を学んだふたりのアクション俳優が激突する映画で、話は先行する『ターミネーター』などの二番煎じだが、アクションシーンはそれなりに見応えがあったような記憶がある。アメリカでも人気があったのだろう。98年には作品の設定を生かしたテレビ映画が2本作られ、99年にはヴァン・ダムを主演に迎えて『ユニバーサル・ソルジャー/ザ・リターン』という1作目の続編映画が作られている。ただしこれらの続編や傍系作品に、ドルフ・ラングレンは出演していない。今回の『ユニバーサル・ソルジャー/リジェネレーション』は最初の映画からなんと17年たって作られた続編。世界観としては2本目の映画を無視して、1作目につながる作品になっているようだ。最大の見どころは、この映画でヴァン・ダムとラングレンの再共演が実現したことだ。(ラングレンはこの後『エクスペンダブルス』でスタローンとも再共演。最近パットしなかったが、ひょっとすると今年は復活の年になったりして。)

 映画としては脚本の構成がちょっと大味。最強兵士同士の戦いがあるにはあるが、馬鹿みたいに真っ直ぐ進んでバンバンバン!では芸がないだろう。3人(3体)のユニソルをどうぶつけて、どう戦わせれば面白いのかを、もう少し考えてほしかった。一番残念なのはラングレンとの再共演がせっかく実現したのに、ラングレンの見せ場が少なかったところ。ヴァン・ダムとラングレンが戦うのは当然としても、その前にふたりがタッグを組んで新型ユニソルと戦うとか、何かもう少しエピソードに華がほしいのだ。

(原題:Universal Soldier: Regeneration)

6月26日公開予定 シネマート新宿、シネマート六本木ほか全国順次ロードショー
配給:エスピーオー
2009年|1時間36分|アメリカ|カラー|スコープサイズ|ドルビー・デジタル、ドルビーSR
関連ホームページ:http://www.unisol-is-back.jp/
関連ホームページ:The Internet Movie Database (IMDb)
DVD:ユニバーサル・ソルジャー/リジェネレーション
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