チャーリーズ・エンジェル
フルスロットル

2003/06/18 SPE試写室
ギャグ満載のアクション・コメディ『チャーリーズ・エンジェル』の続編。
デミ・ムーアがひとりで3人と張り合うのはご立派。by K. Hattori

 キャメロン・ディアス、ドリュー・バリモア、ルーシー・リュー主演の、映画版『チャーリーズ・エンジェル』第2弾。今回もヒロイン3人組のほか、監督のMcG(マックジー)や武術指導のユエン・チョンヤンなど、前作とほぼ同じ布陣での映画製作体制をとっている。目に見えるところで大きな変更点になったのは、前作でビル・マーレーが演じていたボスレー役が、今回はその弟という設定でバーニー・マックが出演しているくらい。これは残念にも思うのだが、映画のバランスとしては悪くない。(主要登場人物にひとりぐらい黒人を入れておこうという、ハリウッド流の政治的判断だったのかもしれないけれど……。)

 凶悪犯罪の告発に不可欠な証人保護プログラムの暗号キーが盗まれ、偽名で暮らしている証人たちの名簿が犯罪組織に売り渡される事件が発生する。暗号キーとなっている指輪を取り戻そうとするエンジェルたちは、殺し屋が持っていた名簿の中に、エンジェルのひとりディランの名前があることを知って驚く。じつは彼女も証人保護プログラムによって新しい名前を得た、重要証人のひとりだったのだ。暗号キーの指輪は、ディランの元恋人が持っている。だがディランはナタリーやアレックスに危険が及ぶのを恐れ、エンジェルのチームを抜けることを決意するのだが……。

 お色気、コスプレ、パロディ、ダンス、アクションなど、前作で観客を大喜びさせた要素が今回も目白押し。露出度の高いファッションやヒロインたちのセクシーポーズに男性ファンはまたも大喜びさせられそうなのだが、このヒロインたちは男性に媚びるところがまったくないので、女性観客にも反感を買うことはないと思う。下ネタやパロディが大幅にパワーアップしているのに比べると、肉体を使うアクションは前作より少し後退しているように思う。

 これは観ている側の「慣れ」もあるのだろうが、今や売れに売れている3人の女優たちに、前作ほどのトレーニング時間が取れなかったのかもしれない。映画最大の売りはバイクチェイスなのだが、これはヘルメットで顔がよく見えないから、アップ以外はスタントマンでしょう。(このシーンは撮影素材がビデオ撮りなのか、一部がビデオで編集されているのか、少し画像が粗くなることが気になった。ビデオやDVDでは気づかないかもしれないが……。)しかしこれは、前作に比べて映画に見劣りがするという意味ではない。今回は悪役にデミ・ムーアをキャスティングして、悪役がエンジェルたちと露出度で対抗するという、なんだかものすごいことになってきている。

 楽しい映画なのでできればパート3を作ってほしいが、この顔ぶれを再結集させるには、また数年は待つ必要があるのかもしれない。今回の映画の調子だと、メンバーチェンジはあり得そうにない。でもこれはこれで「次もこのメンツでやるぞ!」という宣言のようで嬉しいものだ。

(原題:Charlie's Angels: Full Throttle)

6月28日公開予定 丸の内ピカデリー1他・全国松竹東急系
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
(2003年|1時間46分|アメリカ)
ホームページ:
http://www.charliesangels.jp/

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DVD:チャーリーズ・エンジェル/フルスロットル
サントラCD:チャーリーズ・エンジェル/フルスロットル
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