MIBII
メン・イン・ブラック2

2002/06/18 ソニー・ピクチャーズ試写室
5年ぶりに登場した大ヒットSFコメディ『メン・イン・ブラック』の続編。
短い時間に見せ場がたくさん盛り込まれている。by K. Hattori

 '97年に製作された大ヒット作『メン・イン・ブラック』の続編は、前作から5年後の世界が舞台。かつては右も左もわからなかったJだが、5年の歳月は彼を腕っこきのエージェントに変身させていた。だが相棒になるのはいつも頼りない連中ばかり。MIBに憧れる人間は多いが、MIB向きの資質を持つ人間は本当に少ない。Jはそんな資質不足の相棒をあてがわれては、ニューラライザーで記憶を消去して一般生活に戻すことに慣れっこになっていた。そんな時、ピザ屋の店長として働いていた善良なザルタ星人が、凶暴な異星人(下着モデルに化けているので外見は超セクシー)のサーリーナに襲われて殺されるという事件が起きる。犯人たちは「ザルタの光」というお宝を狙っているらしい。事件の目撃者となった女性店員ローラを事情聴取したJは、彼女に一目惚れしてニューラライザーの使用をためらう。やがてサーリーナの狙っていたお宝の所在を知っているのが、記憶を消去して今は地方の郵便局長をしているKであることがわかる。JはKを連れ戻して記憶を再生し、再結成された黄金コンビでサーリーナの野望を阻止する。

 主演はウィル・スミスとトミー・リー・ジョーンズ。監督はバリー・ソネンフェルド。特殊メイクはリック・ベイカー。音楽はダニー・エルフマン。そして名目だけの製作総指揮がスティーブン・スピルバーグ。前作のスタッフとキャストが再結成した正統派の続編で、前作が好きだった人は観て損のない映画になっている。前作ではお調子者の新人MIBだったJが、Kと離れて5年の経験を積むと、いかにも貫禄たっぷり。それでもいざKが戻ってくると、Jはまだまだヒヨッコ扱いされてしまう。そしてそんな扱いを、J自身が楽しげに受け止めているという関係性がなかなかよいのです。

 バリー・ソネンフェルド監督は前作『MIB』の後にウィル・スミスと『ワイルド・ワイルド・ウェスト』というつまらない映画を作っていたので、今回は映画を観る前にちょっと心配だった。でも1時間半たらずの映画に、次々に観客の望む見せ場を投入してくテンポのよさで、まったくだれることなくクライマックスまで物語を走らせている。説明不足になる寸前、駆け足になる寸前の、まさにギリギリのところでこの映画は成立している。状況説明を台詞で済ませてしまうところもあるし、無理な設定を強引に押し通してしまっている部分もある。映画は全体に段取りがよすぎてハラハラドキドキすることがない。まるで「キューピー3分クッキング」のような安直さで次から次にやってくる危機は回避され、あらかじめ用意されていることが見え見えの複線や、「そんなのありか?」と思えるどんでん返しで物語を締めくくる。しかしこうした強引さも、じつはあらかじめきちんと仕込みが施されているから、取って付けたようなご都合主義には見えない。オープニングとエンディングを、あんな風にサンドイッチにするとは、なかなかスゴイことではなかろうか。手並みの鮮やかさに感心してしまった。

(原題:MEN IN BLACK II)

2002年7月6日公開予定 丸の内ルーブル他・全国松竹東急系
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント 宣伝:マンハッタンピープル
(2002年|1時間28分|アメリカ)

ホームページ:http://www.mib2.jp/

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サントラCD:MEN IN BLACK II
ノベライズ:メン・イン・ブラック2
主題歌CD:BLACK SUITS COMIN’(NOD YA HEAD)
主題歌収録CD:BORN TO REIGN
関連DVD:メン・イン・ブラック
関連DVD:ウィル・スミス 関連DVD:トミー・リー・ジョーンズ

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