イビサボーイズ GO! DJ!

2002/05/27 メディアボックス試写室
お馬鹿な高校生ケビンとペリーがナンパの聖地イビサ島で大冒険。
ティーンズ・コメディのパロディみたいな映画。by K. Hattori

 おバカな高校生コンビのケビンとペリーは、「俺たちってこんなにイケてるのに、街の女の子にはその魅力がちっともわからないんだ」というのが不満の種だ。そんな不満を持っているくらいだから、当然彼らにガールフレンドはいない。なんとかして童貞からオサラバしたいのだが、ふたりの相手になってくれる女の子はゼロ。彼らなりのイケてるファッションも、彼らが作ったミックステープも、とにかく周囲にはまったく理解されないのだ。「こうなったら、イビサ島に行くしかない!」とふたりは決意する。イビサ島は地中海に浮かぶスペインのリゾート地だが、夏には多くの若者が島に集まり、クラブとビーチを中心にした巨大ナンパスポットになるらしい。ふたりは何とかイビサ行きを実現するが、そこにケビンの両親も同行することになったのは大きな不満。だがふたりは島で売れっ子DJのアイボール・ポールと知り合い、島を訪れていたイカス女の子ふたり組とも親しくなる。はたして童貞の行方やいかに?

 こうしてストーリーだけを要約してしまうと、『アメリカン・パイ』系のティーンズ・コメディのように思えるかもしれないが、この映画はそれより格段に手が込んでいて、しかもバカバカしい作品だ。ケビン役のハリー・エンフィールドは1941年生まれ。ペリー役のキャシー・バークは1964年生まれ。映画が作られた時点で、ふたりとも30代後半だ。しかもバークは『ニル・バイ・マウス』や『エリザベス』に出演している、れっきとした“女優さん”なのです。カンヌ映画祭で助演女優賞を受賞している彼女が、胸をゴムバンドでぐるぐる巻きにして、股間に木製の模擬ペニスを取り付けて、色気づいていつも股間もっこりの高校生ペリーを演じているのだから恐れ入る。ハリーとペリーというキャラクターは、もともとイギリスのテレビ番組「ハリー・エンフィールド・チャムス」でエンフィールドとバークが演じていたもので、これはその映画版とのことです。極悪DJのアイボールを演じているのは、『ヒューマンネイチュア』のリス・エヴァンス。主人公たちが島で出会うニキビ面の女の子ふたり組の片割れは、『ディボーシング・ジャック』の女子大生や『ROCK YOU![ロック・ユー!]』の女性甲冑職人役でチャーミングな魅力を振りまいていたローラ・フレイザーが演じています。

 下ネタや下品なギャグがあちこちに登場する映画ですが、それが生々しくならないのは、主役ふたりを実年齢や性別とはまったく隔たりのある役者が演じているからでしょう。ケビンとペリーは昨今の生意気な高校生のパロディです。でもパロディだからこそ、そこで描ける真実もあるのです。ケビンの中でセックスがらみの妄想が無限に広がっていく場面や、「自分の両親はセックスなんてしない!」とかなり強引に思いこもうとする気持ちなどは、パロディだからこそストレートに描けるものだと思う。女の子ふたり組がニキビをつぶして美人になるシーンも、相当に強烈ですが一種の真実でしょうね。

(原題:KEVIN & PERRY GO LARGE)

2002年7月公開予定 渋谷シネパレス
配給:マイピック

(上映時間:1時間23分|イギリス映画)

ホームページ:http://www.kevinandperry.co.uk/

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サントラCD:Kevin & Perry Go Large [UK IMPORT]
主題歌CD:Big Girl [UK IMPORT] [CD-SINGLE]
ノベライズ(洋書):Kevin and Perry Go Large(Richard Topping)
関連DVD:リス・エヴァンス (その2)

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