ラグラッツのパリ探検隊

2002/04/10 UIP試写室
映画版ラグラッツのパート2ではパリでゴジラが大暴れする。
日本語吹替え版のみでの上映。親子でどうぞ。by K. Hattori

 1991年からアメリカでテレビ放送されている「ラグラッツ」の映画第2弾。前作『ラグラッツ・ムービー』を僕はまったく面白いと思わなかったのだが、今回の映画はじつに面白かった。幼児から大人まで、みんなが楽しめるファミリー向けエンターテインメントになっている。その秘密は、映画の構造が二重になっていること。主人公である幼児たちの活躍を描く表面的なストーリーは、正直言うとそれほど面白いものではない。まぁ子供には面白いのかもしれないけど、しょせんはお子様向きのセットメニューでしかない。ところがこの映画にちりばめられているさまざまな映画のパロディと引用には、思わずクスクスと笑ってしまうのです。映画冒頭は『ゴッドファーザー』のパロディ。これがなかなかよくできていて面白かった。ゴッドファーザーの部屋の外では、ちゃんと結婚式もやっている。他にも『ゴジラ』があり、『ジュラシック・パーク』があり、『わんわん物語』がある。他にも何かあったかもしれないけど、ちょっと忘れてしまった。とにかく面白い。今回の映画はパリにある「日本のテーマパーク」が舞台になっていて、異国情緒たっぷりの日本風俗描写もたっぷり盛り込まれている。この確信犯としか思えないトンチンカンぶりも、日本人の観客には笑うしかないモノだ。

 父親たちの仕事の都合で、パリのユーロラプターランドにやってきたラグラッツの面々。やり手の女支配人ココ・ラ・ブッシェは、東京にいる社長が引退すると知ってその後釜を狙う。社長が「童心を忘れない子供好きな人こそ次期社長にふさわしい」と言ったことから、ココはとっさに「近々子持ちの男性と結婚して私もママになるんです」と口から出任せを言ってしまう。この言葉で社長の心証をよくしたココだったが、「子持ちの男性」に心当たりなどあろうはずもないし、そもそもココは子供が大嫌いなのだ。ところがこのやり取りを聞いていたアンジェリカは、自分に賄賂を贈ることを条件に、ココにチャッキーの父を紹介する。ココは社長の座を手に入れるために猛然とチャッキーの父にアタックをかけるのだが、その頃チャッキーはまったく別の人に新しいお母さんになってほしいと考えていた……。

 舞台になっているユーロラプターランドは、もちろんユーロディズニーランドのパロディなのだが、北斎の「神奈川沖並裏」をモチーフにしたこのテーマパークでは、毎日のようにオペラ版(あるいはミュージカル版)の『ゴジラ』が上演されているのだ。この映画の中では日本のイメージが、フジヤマ、ゲイシャ、スモウレスラー、カラオケなど、いろいろ登場するのだが、その筆頭に出てくるのはやっぱりゴジラというのがスゴイ。版権の問題から名称は「ラプター(ラプトル)」になってますが、身の丈数十メートルで体は緑色、しかも口から火を吐くんですから、これはゴジラ以外の何者でもないのです。それがクライマックスではエッフェル塔に登り、ノートルダム大聖堂前で巨大ロボットと格闘するのだ!

(原題:Rugrats in Paris: The Movie)

2002年4月20日公開予定 全国ワーナー・マイカル・シネマズ
配給:UIP

(上映時間:1時間19分)

ホームページ:http://www.uipjapan.com/rugrats

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