《2001夏・東映アニメフェア》

2001/07/06 東映第1試写室
毎年恒例の夏休み番組。3本立ての豪華版だが……。
『デジモン』の変貌ぶりにちょっとガッカリ。by K. Hattori

 今年の夏の《東映アニメフェア》は、テレビと連動した人気キャラクター3本立て。中身は『デジモン』シリーズの最新作『デジモンテイマーズ』と、『も〜っと!おジャ魔女どれみ』、それに懐かしの『キン肉マン』の息子が活躍する『キン肉マンII世』だ。上映時間は全部で1時間40分。そのうち半分の50分が『デジモンテイマーズ/冒険者たちの戦い』で、『も〜っと!おジャ魔女どれみ/カエル石のひみつ』と『キン肉マンII世』がそれぞれ25分。ただしこの3本、僕はどれもあまり面白いと思えなかった。以下、試写での上映順に簡単な内容紹介とコメント。

 『も〜っと!おジャ魔女どれみ/カエル石のひみつ』は父親の実家に家族や仲間たちとでかけたどれみが、地元に伝わる悲恋物語とカエル石の秘密に迫るという話。村に伝わるわらべ歌や魔法が使えなくなる裏山の霊力など、さんざん気を持たせてくれたわりには、最後のオチがなんだかよくわからない。上映時間25分という範囲を超えて、物語の世界を広げすぎているのではないだろうか。大山鳴動して何とやら。最後におじいちゃんの膝の上に座れてよかったねなんて、それだけのオチにしていいのか。見習い魔女たちが魔法を使えなくなるという話でもあり、魔法がらみの見せ場がないのも残念。

 『キン肉マンII世』は来年テレビも始まるそうで、その露払いとしての劇場版。僕は「キン肉マン」の連載がジャンプで始まった頃に、じつは毎週少年ジャンプを買っていたことがある。当時はプロレスブームで、子供たちはみんなプロレスが大好きだった。でも最近はプロレスというより「格闘技ブーム」だから、この時代に「キン肉マン」の復活というのはいささか時代錯誤のような気がする。あと僕は、この絵がどうしても好きになれない。かわいくないんだよなぁ……。

 で、問題の『デジモンテイマーズ/冒険者たち』なのですが、これはまったく失望してしまった。細田守が作った『デジモンアドベンチャー』とその続編『デジモンアドベンチャー/ぼくらのウォーゲーム!』に興奮させられ、監督が交代した後も『デジモンアドベンチャー02』と『デジモンアドベンチャー02/ディアボロモンの逆襲』でデジタル時代の新しい怪獣映画として映画ファンを楽しませてくれた『デジモン』なのに、今回の映画は過去4本の劇場版『デジモン』シリーズとはまったく絵柄のタッチも異なるし、ストーリー展開も生ぬるくなってしまったように思える。まぁ今までの作品が子供向けにしてはハードすぎたのかもしれないけど、劇場3作目も4作目も1,2作目のトーンを維持していたことを考えると、今回の最新作は明らかな路線転換。

 最初に『デジモンアドベンチャー』を試写で観て以来、このシリーズを支持し続けてきた僕ですが、今回の映画はまったく受け入れられません。デジモンのデザインもオモチャっぽくなってしまい、「始めにキャラクター商品ありき」という映画になってます。

2001年7月14日公開予定 全国東映系
配給:東映

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